亀田誠治が創る “思いやりと優しみ” の都市型フェス「日比谷音楽祭2023」

 音楽の聖地・日比谷公園大音楽堂(以下、日比谷野音)を擁する日比谷公園をメイン会場に、2019年から無料で開催されている「日比谷音楽祭」。今年は6月2日(金)から4日(日)までの3日間にわたり、豪華なアーティストたちの饗宴が繰り広げられる。コロナ禍が事実上収束し、3年ぶりとなる声出しOKのステージに期待するファンは多い。実行委員長である音楽プロデューサーでベーシストの亀田誠治に意気込みを聞いた。

6月2日〜4日に開催される「日比谷音楽祭2023」実行委員長の亀田誠治(「日比谷音楽祭2022」より)

緊急事態宣言の中で開催された日比谷音楽祭

 まずは緊急事態宣言の中で開催された2021年以降を振り返ってもらった。

「一昨年は無観客、昨年はマスクをしながらですが有観客とオンライン配信の両方で開催することができました。一番印象に残っているのが、お客様から拍手が聞こえてきたこと。エンターテインメントに携わる人間として、観客がいることのありがたさを実感できました」

 ただし、大変なことも多かった。特に資金面だ。このイベントは親・子・孫の3世代、誰もが気持ちのよい空間と、トップアーティストのライブやさまざまな質の高い音楽体験を無料で楽しんでもらうことをコンセプトのひとつに掲げている。開催するにあたり、当初から企業の協賛、行政からの助成、クラウドファンディングの三本柱で運営されているが、コロナ禍での活動自粛、助成金の切り替わりの時期、大手スポンサー企業の降板などが重なり、「最悪の場合、開催規模の縮小や設計の変更を覚悟した」と亀田は言う。

「最終的には、会場に来場されたお客様から直接 “支援箱” にカンパしてもらい、何とか目標をクリアできました。日比谷音楽祭の裾野は広がってきているという手応えを得て、今年に臨んだ感じです」

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