林和希「今の僕は音楽の魅力に取り憑かれている」 DOBERMAN INFINITYのKAZUKIがソロデビュー
――アルバム制作のエピソードを教えてください。
もう相当苦しかったです。最後に完成した『そうじゃないの』は、最初の締め切りは過ぎちゃうしめちゃくちゃ切羽詰っていました。けど本当に本当に最後の締め切りのラスト2時間前くらいにようやく出来上がってなんとか期日に間に合いました。焦りで精神的にギリギリでしたね(笑)。
――制作の上で何か納得できない部分があったのでしょうか。
そうですね。『そうじゃないの』の全体像はなんとなくイメージしていたし、上手くいく自信もあったんですけど、いざ本番で歌を入れてみたら締め切り間際で思い描いていたのと違うと気づき、やばい!と焦りました。寝たらアウトだと思っていたので2日間徹夜しましたし、その前日もほとんど寝られなかったです。最後の1週間くらいは記憶がないです。ある意味命がけの制作でした(笑)。でも今回のアルバムで漏れた曲もたくさんあるんですよ。ソロはこのアルバムだけで終わらせるつもりは全くないので、次の作品もたくさんの方に聴いてほしいです。
――アルバム収録曲は当初から7曲の予定じゃなかったんですか?
いや、最初はもっと多くて11曲の予定でした。けど今回は本当は収録予定だった数曲が締め切りまでに納得できるラインに達しなかった。だからと言って無理やり締め切りに間に合わそうと納得できないまま世に出すこともできませんしね。11曲から8曲になってラスト1週間で7曲になりました(笑)。2日間徹夜しなかったら『そうじゃないの』も漏れていた可能性もあります。そういう悔しさもあってもっと自分の歌を届けたい欲がすごいんです。これからもソロでまだまだ出したいです!
――初めてのソロ活動がスタートし、ご自身のなかで気づいたことはありますか?
今回のソロの制作を通して自分は本当に音楽が大好きなんだなと気づかされました。1人で音楽を生み出せることの喜び、そして音楽ってなんて素晴らしいんだ、という忘れかけていた気持ちを再び噛み締めることができました。制作が終わって少しだけ休もうかな、なんて思っていましたけど、次の日からまた音楽を作りたくでウズウズしている自分がいてちょっと怖かったです(笑)。今の僕は相当音楽の魅力に取り憑かれているんだと思います。
(取材と文・近藤加奈子)