堀潤氏が主宰する「8bitNews」で戦闘勃発中のスーダンから退避したJVC駐在員が現地の状況を報告
JVCの今井高樹代表理事、JVCスーダン事務所現地代表の今中航氏、駐在員の橋口佑太氏(左から)(8bitnews提供)
日本ではハルツームから自衛隊機で邦人が日本に戻って来たことが大きく報道されたのだが、今井氏は「邦人が無事に帰ってきたことはなにより良かったこと」との前提の上で「自衛隊が海外に行って退避のための救援をすることが政治利用されているのではないか?」と警鐘を鳴らした。そして「自衛隊、あるいは軍隊による自国民の救出をどう考えたらいいか」と問題提起。「主権の侵害ではないのか?」といった観点から疑問を投げかけた。
続いてジプチの自衛隊の拠点については「不平等な地位協定」になっていると指摘。日本とジプチでは日米地位協定とは逆の形の協定が結ばれているのだが、日米地位協定以上に不平等なものになっているとのことで「自衛隊の人が何か問題を起こしたときにジプチの側には裁く権利がない。完全な治外法権になっている。自衛隊の方々がそういうことを起こすとは考えにくいが協定は不平等なものになっている。日本が加害者の側になっている。ある国の軍隊が他の国に駐留する時には常にそういう問題がある」などと語った。
橋口氏は140万人の難民が発生、死者数が730名以上(国連の推計)、負傷者5500人以上。そして住宅、銀行、工場、国連・政府機関における略奪行為が行われているといったスーダンの状況や、そもそもの軍事衝突に至った経緯、UAE、エジプト、サウジアラビア、ロシアといった周辺国の関与について報告。また戦闘勃発後は物資、食料、薬の不足、物価の高騰といった事象が起こりスーダンの人々を苦しめていることも合わせて報告した。