あなたの「耳の聞こえ」は大丈夫? コロナ禍で難聴発見が遅れるケースも
コロナ禍でシェアを伸ばしたという耳あな型補聴器
コロナ禍で他人から難聴を指摘されるケースが減少
これについて大久保氏は「2020年初頭から世界的な新型コロナの蔓延があり、日本でも新しい生活様式が求められた。ソーシャルディスタンスやマスクの着用、アクリル板の設置、会話の制限というものがあり、いずれも聞こえを妨げる要因となっている。健常者においても日常生活において会話が聞き取りにくい環境が続いていた。つまり難聴者は一層困難な状況に陥ることになる。こうしたコロナ禍において補聴器の需要に変化があった。マスク装着が当たり前になるとマスクと同時に装着できることから、ワイヤレスイヤホンに似た耳あな型がシェアを伸ばし、40%ほどになっている」などとコロナによる環境の変化によるものが大きいと解説。
そして「外出の自粛や会話の減少に伴い、他人から難聴を指摘される機会が減っている。かつては実家に帰った時に両親がテレビを大きな音で聞いていて、“難聴じゃないか?”と気づくことがあったが、そういう機会も減っている。医療機関での検査や補聴器の販売店への来店なども制限があり、予約も取りにくい状況が続いていた。ようやく2023年から感染対策に対する制限は徐々に緩和され、これをきっかけに“コロナ禍における個人の聞こえ”というものの問題が顕在化されていくものと思われる」とも語る。