豊島区の高際区長「バトンを託してくれた」故高野之夫元区長を偲ぶ会

 

 今年2月9日に逝去した故高野之夫元区長を偲ぶ会が8日、豊島区の豊島区立文化劇場(東京建物 Brillia HALL)で行われた。会場には区民ら多くの人が足を運び、会場前の豊島区立中池袋公園に設けられた献花台でも多くの人が静かに手を合わせた。

 偲ぶ会には、高際みゆき豊島区長らが出席。高際区長は、敬意をこめて、高野さんのことを「高野区長」と呼んで式辞。そのなかで「みんなで挑戦すれば実現できるということを伝え、バトンを託してくれた」とし、「高野区長が豊島区政に傾けた精錬で真摯な情熱を受け継ぎ、豊島区の未来、さらなる発展に向けて取り組む」と固く決意した。

 高際区長はまた、高野さんが旭日中綬章を受章したことを報告した。

挨拶をする高際みゆき豊島区長

 また、ファッションデザイナーのコシノジュンコ氏も弔辞。コシノ氏は高野さんと対談をしたり、豊島区からも発信をしてきた。「高野区長と初めて対談をさせていただいてから、豊島区の印象が変わりました」とコシノ氏。「豊島区全体を劇場にしようという大きな意気込みが大好きでした」と、グローバルリングで行ったイベントを振り返った。

 偲ぶ会では、豊島区民によるオーケストラによる追悼演奏もあった。

 高野元区長は、昭和12年に池袋で生まれ、大学卒業後は池袋西口の古書店を引き継いで、豊島青色申告会青年部長や豊島区商店街連合会青年部長を歴任。区制施行50周年を機に行政と関わり、政治家を志し、昭和58年に豊島区議会議員に初当選。その後、区議会議員を2期、都議会議員を3期、平成11年から6期24年にわたり豊島区長を務め、財政破綻の危機や消滅可能性都市の指摘などを受けながらも区政をけん引してきた。文化や芸術、カルチャー、SDGsについても、積極的に取り組んできた。

 偲ぶ会は、豊島区、豊島区民合同で行われた。

 

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