福士蒼汰「新しいことに挑戦するときプライドに縛られていたら打ちのめされてしまう」初の海外挑戦 必要と感じたのは「素直さ」
陸から約2700km離れた太平洋のど真ん中に浮かぶ巨大貨物船を舞台にした極限の心理サバイバル・スリラー、Huluオリジナル「THE HEAD」Season2が6月17日からHuluにて独占配信開始。前作に出演した山下智久に続き、国際色豊かなキャストの中で存在感を放つのは、本作が初の海外作品となる福士蒼汰。「20代のうちに海外作品に挑戦したい」という夢を叶えた福士が持つ“実現力”とは。
【急きょ英語で記者会見! 10代から続けてきた英語の勉強。それでも初の海外挑戦は「大変でした」】
外界から隔絶された南極の科学研究基地で起きた凄惨な殺人事件の謎を、絡み合う群像劇や極限のサバイバルとともに描き、全世界の視聴者を釘付けにした心理サバイバル・スリラー、待望の第2弾。今回の舞台は絶海に浮かぶ船の中。前作の生存者、天才生物学者・アーサー(ジョン・リンチ)率いる優秀な科学チームは気候変動から地球を救う研究を密かに行っていた。しかし共同研究員の一人が首<THE HEAD>のない死体となって発見されたことをきっかけに、再び逃げ場のない極限の心理サバイバルが巻き起こる…!
「Season1は、こんな国際的な海外作品に日本人俳優の山下さんが出ているなんてすごいなという気持ちで、いち視聴者として見ていました。まさかその2年後に自分がその続編に出演することになるとは想像もしていませんでした」と振り返る福士蒼汰。
本作で演じるのは、アーサーが新たに集めた研究スタッフの1人、コンピューター・エンジニアのユウト。アーサーから、前作のもう一人の生存者・マギー(キャサリン・オドネリー)についての調査を秘密裏に頼まれ、いつしか事件の核心に迫っていくメインキャストの1人だ。
出演が決定してから2~3カ月の間に、日々の仕事をこなしながらアクティングコーチと英語セリフでの芝居を猛特訓。その後、世界中から集結したキャスト・スタッフとともに、スペインで約2カ月間の撮影を行った。
10代から英語が好きで勉強を続けてきたという福士だが、それでも海外作品の現場は一筋縄ではいかなかった様子。
「大変でした。まず、いろいろな国の人たちとのコミュニケーションに知らず知らずのうちに肩に力が入って緊張を感じて、自分の能力を100%出し切れなかったです。一番大変だったのは、プライベートでの大人数の中での会話。最初は会話のスピードになかなかついていけなかったので、聞くことに徹してしまうこともありました」
何気ない日常会話が一番大変だったと言いつつ「皆でどこかに行こうよ、というときには必ず“僕も行く”と言うようにしていました。本音を言うと、コミュニケーションが難しくて気後れしてしまうこともありましたが、自分を奮い立たせて(笑)」。
カメラが回っていないときも、チームの一員であることを大事にしていた福士。「撮影1カ月が経つころには、皆ともすっかり仲良くなっていました」と笑顔。それでも、思わぬ事態が起こることも…。
「撮影も半ば、数日後にプレスカンファレンス(制作会見)があることを知らされたんです。ほかのキャストもまったく知らなかった様子でした。メイクや衣装も自分で用意しなければいけないということだったのですが、僕は会見用の衣装を持ってきていなくて。日本から持ってきていたジャケットと、現地で急きょ購入したシャツで臨みました(笑)。一番大変だったのは、海外の報道陣からの質問に英語で受け答えしなければならなかったことです。キャスト数人で合同取材を受けたり、個別でインタビューを受けたり。舞台への登壇も緊張感がありました。会見があると知ってから、寝る間を惜しんで準備をしたので、何とか乗り越えることができたと思います。なにか自分にできることをという思いでギャグも入れてみましたが、みんなが笑ってくれたので安心しました(笑)」
自然な英語セリフでの演技はもちろん、すっかりユウトとして溶け込んでいるのが伝わってくる。劇中では、自身の発案で日本語台詞を交えた場面も。
「ユウトがパソコンを使っているときに“キター!”と言っているシーンがあるのですが、もともとの英語セリフを僕が日本語にしたものなんです。僕の中では、ユウトは日本で生まれ育ったという設定なので、1人でパソコンを触っているときは日本語のネット用語がつい出るかもしれないな、と思って。僕自身、仮面ライダー(『仮面ライダーフォーゼ』)に出演していたときも“キター!”と言っていたという背景もあります(笑)。お互いの国の言語で“乾杯”は何と言うのかと話題になったときに、みんなが日本語を気に入ってくれて。本編でも使っていただけたのでうれしかったです」