〈日本とモルディブの意外な関係〉国民食はカツオ。東日本大震災では救援物資を寄付

モルディブの一本釣りの様子。昔ながらのエコな漁業が展開される。それにしてもなんて豪快なんだ……(写真提供:モルディブ大使館)

 現在、ここ日本でも、ようやくアフターコロナの局面を迎えている。街中でインバウンドを見かけるケースも増え、私たちも海外旅行への気分が高まりつつある。モルディブは、アフターコロナの観光対策という点においても、参考にしたい国だ。

 同国は、2020年7月15日の段階で、世界各国の観光客への門戸を開いた。背景には、GDPの3分の1を観光産業が支えるといったお家事情もあるのだが、無為無策で開いたわけではない。

 モルディブへ出発する96時間以内に、発行されたPCR検査の陰性証明書や、出発24時間以内に健康申告書をオンラインで提出するなど、迅速に渡航者の健康を管理するシステムを構築し、世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)からいち早く「SafeTravel Stamp」の認証を取得。

 また、万が一、新型コロナウイルスに感染した場合に備え、「隔離施設の滞在費、医療費、医療機関への搬送費などがカバーされる『コロナ保険』を、モルディブのアライド保険と観光省が共同で開発するなど、コロナ禍にあって、旅行客からの信頼をいち早く作り上げるために奔走したという。

 地の利も味方した。小島嶼国であるモルディブは、陸地が国土の1%しかなく、1192ほどの島(何かしらの植生がある)から形成されている。うち、住民が暮らす島は200近くあり、リゾートとして機能している島は150ほど存在する。リゾートとして機能している島は、“1アイランド1リゾート”と呼ばれ、基本的に一つの島に一つのリゾートがあるのみ。つまり、「密になりようがない」という点もモルディブの魅力なのだ。日本からは、カタール航空、スリランカ航空、シンガポール航空などでモルディブまで行くことができる。

リゾートホテル「メルキュール・モルディブ・クッドゥ」のコテージからの夕景(筆者撮影)

 イギリスの引越し会社mybaggage.comの調査によれば、2021年に入ってからインスタグラムに最も投稿された旅行先は、2位・パリのエッフェル塔、3位・ニューヨークのタイムズスクエアと、いずれも超人気スポットだ。

 では、それらを抑えて1位に輝いたのはどこか? 「インド洋の真珠」と称されるモルディブだ。

 先の調査は、ハッシュタグを使った投稿数を調べたそうで、モルディブはハッシュタグ数が880万投稿とトップ。次いでエッフェル塔(650万)、タイムズスクェア(440万)と続く。モルディブは、ウィズコロナの最中でも、プレゼンスを大きく向上させることに成功したのだ。

「現在、モルディブへは、特に制限なく入国可能です。モルディブ入国前(96時間以内)に、氏名・電子メールアドレス、顔写真、携帯電話番号、旅券番号、滞在先及び健康状態などを、モルディブ入国管理当局の特設サイト「IMUGA」で事前申告するだけです(帰国時にも出国前96時間以内に「IMUGA」で健康状態の申告が必要)」

 透き通るような海が広がるモルディブに行ってみたい――、そう思う人は多いはず。一方で、リゾートのイメージが強いモルディブに滞在するとなると、コストがかかるのではないか? 

 モルディブのリゾートホテルでは、食事もお酒もすべて宿泊料金に含まれる「オールインクルーシブ」と呼ばれる料金体系が一般的だ。自分のペースで時間を優雅に自由にコントロールできる「オールインクルーシブ」は極上のリゾート体験を約束してくれるが、料金は安くはない。