たった4分に、こめられた膨大な時間!画家が自分と向かい合うショートフィルム『Walking Backwards 内なる世界へ』を観た!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 こんにちは、黒田勇樹です。

 現在、三栄町LIVE×黒田勇樹プロデュースvol.14『この暗闇を超えて温泉に行こう!GOLD』が本番中です。

 評判を聞いて、飛び込みで見に来てくださる方もいてうれしい限りです。

 25日まできっちりやり遂げますので、ご興味のある方はぜひ。

 では今週も始めましょう。

『Walking Backwards 内なる世界へ』上映・配信プログラム/ノンフィクションプログラム 3

 そもそも「絵」と、「映画」は、親和性が非常に高く、その最たる部分は絵コンテと呼ばれる「監督が“こんな映像が撮りたい”というイメージを絵にかき起こしたもの」と、でもいうのでしょうか?日本の大監督、黒澤明監督、北野武監督など名監督は皆さん非常に絵がうまく、絵コンテだけで1冊の画集が出来てしまうほどの画力の持ち主。(画集、めちゃめちゃ高いけど、お値段通りの価値があります)

 今回、鑑賞した“たった4分”のショートフィルム「Walking Backwards 内なる世界へ」は、画家が絵を描いている映像に淡々とモノローグだけが併せられてストーリーが語られていくという、一見ありがちで飽きてしまいそうな表現方法なのですが、その4分に“こめられた時間”が凄い!

 コロナ禍で、外の世界と切り離された画家が、自分の内面と向かい合うために「利き腕ではない方の腕で絵を描き始める」と、いう始まりなのですが、もうこの時点で「コロナ禍になってからの4年間」という時間と、とてつもない数のキャンバスに描かれた絵が映されることによって「この人が画家として技術を磨いてきた時間」の全てが、1カット目から上乗せされ、とても4分とは思えない、2時間半ぐらいの大作を見せられたように感じる、素晴らしい表現方法。

 映画人にも「手法を変えてみよう」という瞬間が多々あって、それが人生の転機になった人が沢山いると聞きます。

 こういう“魔法”が、使えるのがショートフィルムの良いところで、上記したように、絵と映画は親和性が高いので、間もなく終了するSSFF2023、こういう作品がコンペティションの上位に食い込むのではないでしょうか。

 映画が好きな人も“映画を好きになってみたい”人も、短い時間で沢山の作品が楽しめるショートフィルムのお祭り、会場でも配信でもまだまだ楽しめるので是非参加してみて下さい。

 コンペの結果を予想したりするのも楽しいかもしれませんね。

ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2023 (SSFF & ASIA 2023)
【開催期間】2023年6月6日(火)~6月26日(月)※オンライン会場は4月27日(木)~7月10日(月)
【会場】TORQUE SPICE & HERB, TABLE & COURT、二子玉川ライズ スタジオ & ホール、 ユーロライブ、表参道ヒルズ スペースオー、赤坂インターシティコンファレンス、オンライン会場ほか ※開催期間は各会場によって異なる
【料金】無料上映(一部、有料イベントあり)
【URL】https://shortshorts.org/2023/
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黒田勇樹(くろだ・ゆうき)
1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。

公式サイト:黒田運送(株)
Twitterアカウント:@yuukikuroda23