17歳の母演じた花瀬琴音、夫役に「まだ3000円返してもらってない」映画『遠いところ』

映画『遠いところ』初日舞台挨拶より(左から尚玄、石田夢実、花瀬琴音、佐久間祥朗、工藤将亮監督)

 撮影中のエピソードとして花瀬が「基地の前を裸足で走るシーンがあって、何回走っても工藤監督が “疾走感が足りない、本当に逃げているんだからもっと早く” と言うんですけど、そのシーンが結局スローで使われてたんですよ(笑)。すごく痛かったのを何とか頑張ったんですけど、あまりにもスローだったので “疾走感とは……” みたいな」とボヤくと、工藤監督は「すみませんでした」と平謝り。

 尚玄は「出演シーンがキャバクラだったのでキャバクラで待機していて。他の皆さんに挨拶して端で座っていたらお姉さんが来て、おしぼりを出して “何か飲みますか” と聞いてきたので、てっきりお店の人だと思ったらアオイだったんですよ(笑)。あまりにも慣れた手つきで、おしゃべりのイントネーションも沖縄っぽかったので。僕が騙されるくらい素晴らしかった」とリアルな役作りを讃えた。

 工藤監督は「この物語で起こっていることは決して “遠いところ” ではなく、僕らと同じ日本で今もずっと続いている問題であることを知るきっかけになれば。自分は “世界を変えよう” とか、そんなに偉そうなことを言うつもりはなくて、僕もこの作品を作りながら初めて知ったことがいっぱいありますので、ぜひ映画を通じて知るという体験をしていただければ幸いです」とアピールした。映画『遠いところ』は全国順次公開中。