『少女都市からの呼び声』主演の安田章大が「今しか見られないものになっている」と自信 そして唐十郎作品の伝承に意欲

急きょ決まった劇中歌を歌う安田

 唐作品の魅力を「なんて素敵な戯曲なんですかって話ですから。やっぱり理解し切れない部分もあるでしょうし、誤読してしまう部分もあるでしょうし。なんせ唐十郎さんの脳みその中をのぞいているわけですから。でもそれがすごく楽しい。儚く美しく、その先にある唐さんの世界観をのぞけるので」と熱く語る安田。「充実してますよ(笑)。本当に思っているんですよね。ジャニーズ事務所って大きな事務所ですから、唐十郎さんという世界を広げていくためにはとても素敵な大きな場所であり、届けられる立ち位置にいるんだなと考えていて、これからは金さんや風間さんたちと僕たちで唐さんの凄さや大切さを途切れさせないようにしていこうと今回改めて決めました。だから今回の作品で終わるのではなく、すぐまたやってやろうと思ってます」と今後も唐作品に関わっていきたいという姿勢を見せた。

 演出を務める金守珍の「唐作品はアングラとして世の中に伝わっているが唐さん本人はアングラと名乗ったことはない。世間がアングラと揶揄していた。風俗として消えるものだと。それが文化として残る、この作品がその出発点。『少女都市からの呼び声』は僕、40年くらいやってきてやっと答えが見つかって、完成品。自信を持って皆さんにお届けします。次の世代という意味では安田君がこれを受け入れたことが大きな転換点になると思う」という言葉に安田は「本当にとても大切な役目だと思うんです。今回共演している細川岳というのがいるんですが、これをまた岳が受け継がなければいけないと思うし。どんどん今の若い子たちが唐さんを文化として受け入れて広げていく。そうすると10代20代、もっと下の人たちの血液の中に唐さんというワールドを送り込むことができるんじゃないかと思っています」と唐作品を伝承することの大事さを口にした。