『少女都市からの呼び声』主演の安田章大が「今しか見られないものになっている」と自信 そして唐十郎作品の伝承に意欲

田口(安田)の指を切り落とす雪子(咲妃)

 また唐作品は胸を打つ劇中歌が印象的なのだが、風間杜夫の「安さん(安田)はもっとかっこよく凛々しく出てこないといけない」という一言を受けた金が本稽古が終わった後、本番の3日前に安田が劇中歌を歌うことを急遽追加。金は「今日稽古して、お披露目はゲネプロ。唐さんが歌っているくらい素敵。『さすらいの歌』というんですが、昔、根津甚八さんが歌っていた語りが入る歌。唐さんが一番愛してた歌です」と語った。

 今回がストレートプレイは初出演となる元宝塚歌劇団雪組トップ娘役の咲妃みゆは「お稽古から今日までいろいろなことがありまして、課題がたくさんあったんですが、その中でも唐十郎さんの魅力に虜になっていく自分が確実にいて、毎日ワクワクしながらお稽古させていただきました。金さんはじめ先輩方がたくさんアドバイスをくださる中で、少しずつ、自分の中で肉付けされていく雪子を楽しみながら今日まで来ました」と語る。

『唐版 風の又三郎』『泥人魚』に続き、唐作品は3作目の出演となる風間杜夫は「唐戯曲っていうのは、一編の詩のようなところがあって。その詩の世界を可視化する金守珍の演出力に圧倒されている。今回も出させていただいているが、機会があればまた安さんと次もまた次も、と気持ちは高ぶっています」と唐作品の魅力を語った。