『少女都市からの呼び声』主演の安田章大が「今しか見られないものになっている」と自信 そして唐十郎作品の伝承に意欲

連隊長役の風間杜夫とフランケ醜態役の三宅弘城

 フランケ醜態役の三宅弘城は「初演は唐さんが麿赤兒さんに当て書きしたフランケ醜態という役。その後、ほぼ40年、1回くらいですよね、金さんがやらなかったのは。その重圧にほぼ押しつぶされていたんですが、安田君と咲妃さんと風間さんのお力を借りながら、金さんの演出のもと、なんとかちょっとだけ僕なりのフランケができたのかと。あとはこのTHEATER MILANO-Zaで『少女都市からの呼び声』をお客さんと一緒にどんどん育てていきたい。念願の唐作品。金さんの演出も含めて、唐ワールドの美しさと抒情性とか、いい意味でのワケの分からなさとか、日々苦悶しながら楽しんでいました。あまり僕もやってこなかった役柄なのでやりがいもものすごくあります。感謝してます」などとこれまで金が演じてきた難役への挑戦にあたっての意気込みを見せた。

 最後は安田が「今まであった作品が少しずつ色を変えながら、エンターテインメント性を含みつつ、過去の大事なものも残しつつ、進化しつつ変化していく。そうすることによって文化というものは廃らないでしょうし、これからも語り継がれるのかなと思っている。今回がスタートなので、2回目3回目と続けていくための準備、そして皆さんに対しての僕たちの誠心誠意というものを受け止めてもらえればと思います。とにかく唐十郎さんの世界、そして金さんの演出の世界を楽しんでいただきたい。今しか見られないものになっていると思います」と締め括った。

 本作は「THEATER MILANO-Za オープニングシリーズ」の第3弾。7月9日~8月6日まで同所で上演後、8月15~22日まで大阪の東大阪市文化創造館 Dream House 大ホールで上演される。