板垣李光人、美術館の魅力は「タイムスリップするような感覚」 12日開幕『テート美術館展』でアンバサダー
さまざまな作品があるなかでお気に入りのひとつが、ジョン・ブレットの「ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡」だそう。
「(作者は)実際に航海に出ていたそうで、陸や港から見ている海の景色がまた違っているんです。美しさだけではなく、航海に出ているからこそ恐ろしさとか厳しさ、力強さみたいなものを分かっている上で描かれる海の絵が印象的でした。波の質感だったり、光が降り注いで波に反射してる様だったりディティールを近くで見るのもいいし、一歩離れて全体の力強さを楽しむのもいい。それがすごく良くて、印象に残りました」
また、ジェームズ・タレルのインスタレーションの『レイマー、ブルー』も挙げた。
「本当にいろんな種類、時代の作品がある」と、板垣。「何か自分の中にビビっとくるというか心を惹かれる作品というのが絶対にあると思います。色々なテートな光を感じに来ていただけたらなと思います」と呼びかけた。
アートは好きで、会場の新国立美術館には普段からよく足を運んでいるといい、鑑賞後には美術館のカフェで余韻に浸るのがコースだそう。どんなふうに美術館を楽しんでいるかと聞くと、「タイムスリップをするような感覚を味わっている」という。
「(展示されている作品は)100何年前に描かれたもの。その時代に生きてた人たちが感じてたものや考えてたこと、匂いだったり感覚、五感が全部表現されてるのが絵。その時代を感じられる、タイムスリップをするような感覚を味わえるのが美術だと思ってます。あと個人的に……作品だけじゃなくて、作品を見ている人を見るのが好きです。この人、ずっとこの絵の前にいるな、この絵が好きなんだなって。自分なりの(美術館の)楽しみ方があると思うので、とにかく1回来て見て、なんか見つけてもらえたらいいなと思います」
休日は、買い物か映画か美術館で過ごすことが多く、「外には出るんですけどインドア。海や山には行かない」と笑う。夏にやりたいことを聞かれると、「(暑さで)液体になるんじゃないか……」と表情を歪め、「夏にやりたいことも屋内ですね。英語の勉強をしたいなと。この間パリに行ってきたんですが、現地に行って改めて自分の力量を知って……もうちょっとちゃんと勉強したいなと思いました」とやる気だった。
10月2日まで同所で。