中山泰秀元外務副大臣が国連本部で開催の「国連を支える世界こども未来会議~プロジェクト発表イベント~」にメッセージ

昨年3月26日に行われた「国連を支える世界こども未来会議」でコミュニケーションサポーターを務める中山泰秀氏(撮影・蔦野裕)

 今回のイベントについて、SDGsピースコミュニケーションプロジェクトのボードメンバーのひとりで、ピースコミュニケーション財団の政治渉外担当理事を務める中山泰秀元外務副大臣は「今、地政学的に考えても経済的に考えても、日本は国際社会で非常に重要なポジションにあるんですが、そのことを理解している国民のほうが逆に少ないのかなと思っています。

 例えば、バシー海峡を通過する中東からの原油と天然ガスは日本の主要なエネルギー源です。しかし、台湾周辺で有事が起きれば、日本は急速にエネルギーや食糧輸入などの深刻な問題に直面し、困難な状況に陥る可能性があります。地政学的な変化や国際関係の動向により、エネルギー供給に関するリスクや問題が生じることもあります。そのため、エネルギーの多様化や供給源の確保、代替策の検討が重要です。一言でいえば“平和ボケ”なのかもしれません。しっかりと今、態勢を整え直さなければいけない時期だと思っています。そこで大人は勿論ですが、実は一番活躍してもらいたいのは次の時代を背負って立つ子供たちの世代です。

 私の政治家としてのテーマのひとつに広島に国連のアジア太平洋本部をつくりたいという夢があります。世界初で唯一の被爆地である広島という場所は今回のG7サミットでも明らかなように、またそれよりもさかのぼる2016年にオバマ大統領がやってきて、世界中が理解したように、平和を構築するための議論に最も相応しい場所なのです。今、ロシアがウクライナに軍事侵攻している中で、ゼレンスキー大統領が広島の惨劇を自国の現在と なぞらえて、このような形になってはいけないということを世界の人に象徴的に感じさせるために広島に来たことは皆さんの記憶にも残っていると思います。裏を返せば広島は復 旧や復興、再生のシンボルであるということ。私はこういった広島の価値というものをあたりまえのものにさらに固めていきたいと思っています。広島に1万人くらいが集まって議論ができるような会議場所、同時通訳が入れるブース、すべての会議室を合わせてラスベガスにある世界最大級のラスベガスコンベンションセンターを追い抜くぐらいの場所、世界中の外交官が長期滞在できるようなレジデンス、そういった機能を備えた大きな外交官滞在型都市を広島につくってしまう。物理的な拠点づくりが重要だと思っています。

 同時に国内的な社会資本整備からいえば、リニア中央新幹線なんかは、もともとは東京から名古屋、それを8年前倒しして新大阪まで引くということが決まっている。今は亡き安倍首相も現在の岸田首相も中国地方選出の国会議員なんですが、中国地方や西日本の発展を考えるとあまりいろいろなプランが出てきていないような気がします。世界中から羽田や成田の各空港に到着した国連職員や外交官等が、約1時間ちょっとでリニアに乗って広島の国連アジア太平洋本部に向かう。九州の福岡空港に到着した国連職員が、広島まで約 30分で向かう。この私のプランを活用していただいて、広島に仮に国連のアジア太平洋本部ができたならば広島を中心に西日本が繁栄してくる。そういった社会資本整備、日本の国土軸形成にも大きな貢献ができるプロジェクトなんです。

 これから日本が少子高齢化が進み、人口が減少していく中で日本が唯一持てる外交のプレゼンスとは何かといえば、ノルウェーのオスロのような、ある意味“お座敷外交”的な交流の拠点的な部分を取っておくべきだと思っています。そのポジションを今のうちに確保しておくことが大事。すなわち唯一の被爆国という日本のポジションをきちんと風化されないように固定化して、復興・復旧・再生の議論に最も適した平和への議論ができる場所”HIROSHIMA”のある種の再設定が必要不可欠であり、世界中の人が集える国連のアジア太平洋本部をつくることが、日本の国を守る、人口が少なくなって、人口の質が変わってくる中で、日本の外交・安全保障、国防にも貢献できるような意味を持たせることができると思っています。その時代に活躍していただきたい、その時に現役の世代であろう人たちが、この『国連を支える世界こども未来会議』に出ているこどもたちであること を期待しています。

そして、私が生まれ育った地元・大阪で2025年に万国博覧会が開かれます。私は衆議院議員時代に外務委員長をやっていました。その時にちょうどこの万博候補地同士で選挙で争っていた時期でした。私は1970年、 昭和45年の大阪万博の年に生まれ、しかも大阪市の出身で外務委員長。選挙活動では一番シンボリックな男だったので世界中でいろいろな人に会って、1票投じていただくことに 成功している。そういう意味でいうと誘致活動が懐かしく感じられます。

 今、私は議員ではありません。でも日本の政治家としてどんなことに貢献できるかと考えた時、国政に携わる政治家の役割というのは治安・外交・防衛・教育の中身ですから、 そういった意味でいうと教育の中身ということと外交、防衛にもかかわってくる。子供たちの教育がよくなれば治安にも貢献できる。まさに私が政治家として掲げている4つの柱をすべて満たせる、これをぜひ前に進めていきたい。

 最後に大人にもお願いしたいことがあります。大人のほうが想像力が子供の時と比較して、勝手に制約を設けて、勝手にできない理由を探しているように思えます。できない理由を探すくらいならできる理由を探してほしい。子供たちの良さを活かせ るようにしてほしい。子供たちには想像力豊かに。“そうぞうりょく”と音声でいうと2つあります。一つはイマジネーションの“想像力”、もう一つはクリエーションの“創造力”。両方の“そうぞうりょく”をつぶさないでいただきたい。私たち大人が子供たちのイマジネーションとクリエーションを導いて育てて、子供たちがどこでも自 然に表現してアピールできるような、そんな世の中を作っていく、そのために貢献していきたいと思って、このプロジェクトを議員ではなく政治家としてやっていく。これは一生続けていきたい、宝を育てるような気持ちで頑張りたいと思っております」とコメントしている。

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