注目度上昇中のヒップホップユニット MA55IVE THE RAMPAGE 目標は「THE RAMPAGEと対バン」 9月に初のシングルパッケージをリリース
新しい風が吹いた夏ソング「夢は夢のまま」
ーーさて、意識はすでに『INVADERZ』に向かっていると思うんですが、やはり去り行く夏にぴったりの「夢は夢のまま」について少し聞かせてください。まずこの曲のスタートは……?
LIKIYA:夏に出すなら夏っぽいものをやってみたい、と。安直なアイデアではあるんですけど(笑)。
ーー近年注目されているジャージー・クラブを取り入れた夏の切ないラブソング。これまでにMA55IVEが発表した楽曲と比べるとかなり異なる感触もあります。メロディーはポップかつエモーショナルで、より多くの人に届く楽曲になったと感じました。
山本彰吾:制作にあたって、OLDMAN WILDINの3人と密に打ち合わせをしました。P-CHOさん、JAY’EDさん、NAOさんとMA55IVEの持っているテーマ感であるとか。その時にMA55IVEでミュージックビデオが撮れそうな気配もしていて、メジャーなドンをその時にしたいから、ここは最先端ぽいことをしたいねって。そのなかで、NAOさんがここ数年世界で人気のジャージー・クラブはどうかって。それでエモラップとジャージー・クラブのミックスみたいな感じはどうかなとリクエストしました。
ーー制作期間は?
LIKIYA:リリースの1カ月、2カ月前ぐらいから。MA55IVEはだいたいいつもそんな感じです。
山本彰吾:MA55IVEは制作が決まると一気に動き出すんです。決まるのも急です(笑)。
ーーOLDMAN WILDINさんと組んだのは自然な流れですか?
LIKIYA:やましょーとは交流があったんだよね。デモの曲ももらっていたし、タイミングがあえばいつかやりたいなという話はしていて。
山本彰吾:やりやすいんです。僕らはラッパーのグループではなくて、健太がいて、翔平や昂秀も歌える。そうした5人ってなった時に、(川村)壱馬がいて、(吉野)北人とRIKUがいるTHE RAMPAGEの作り方とちょっと似てくるところもあって、いい意味で共存できるような作り方ができるんじゃないかと。そうなると、ラップはP-CHOさん、歌はJAY’EDさんみたいに振り切って進めていけるので、なんか僕らっぽいというか、繰り返しになっちゃうんですけど、やりやすい。
LIKIYA:ハマってる感じはありますね。
五人五様の生みの苦しみ
ーー2人ともプレイヤーっていうのも大きいですよね。この曲では新しい制作のスタイルのほかにも、新たな挑戦もあり、みなさん生みの苦しみを味わっていらっしゃいました。少し振り返っていただけますか?
LIKIYA:僕は歌、歌っぽい感じですね。チャレンジしてみたかったというか、やりたかったんです。もともと歌が上手なわけでもないし、ちょっと難しい部分はありましたが、自分なりの歌を表現してみたいというのがあったので、ひとつ新しい挑戦ができてよかったと思っています。いい経験になった曲でした。
神谷健太:自分も歌かな。初めての歌い方なんです。チューンとハマった歌い方でそれをずっとやってる。歌う時って普通は力を入れたり声を作るとダメなんですよ、その人の歌ではなくなっちゃうから。でもこれはゴリゴリに声を変えていてモノマネをしてる感じです。その声とオートチューンが重なっていい感じになるというのを目指しているので。そのためにしゃくらせてみたり、別の人の歌い方をしてみたりして、これであってるのかなあって。
ーー翔平さんも苦労されたと聞きしました。
浦川翔平:はい。今までの自分のやり方じゃ上手くいかなかったんです。目黒川沿いのバーで涙を流しながら歌詞を考えていた時を思い出しながらレコーディングしました。最後の方はゾーンに入りましたけど入るまでずいぶんかかりました。JAY’EDさんがこういう感じでと歌ってみせてくれるんですが、なかなかできなくて。
山本彰吾:僕が悩んだのはシンプルな言葉をどれだけ出せるかというところです。この曲は通して 1 曲にしなきゃいけない曲で、自分のバースで完結させればいい曲とは違うんですよね。ずっと思い続けてるみたいな感じで来たところに、なんで俺じゃねえんだ!みたいにテンションが違ったら嫌だし(笑)。そういえば、僕はどの曲でも1 回作った歌詞を当日にほぼ全部変えるようなことをしちゃうんですけど、それはこの曲ではあんまりなかったな。
ーー昂秀さんはいかがですか?
鈴木昂秀:歌い方は好きだったスタイルではあったので、やりやすい部分はありました。ただ歌詞が……。他でも話していることですが、今の自分の年齢層の恋愛ってどうなんだろうとか考えながら書いています。そういう恋愛してるよねって……よく分からないですけど(笑)。
ーー歌詞では他のみなさんはどうだったんでしょう、生みの苦しみ?
LIKIYA:恋愛の曲はこれまで作ってなかったのでちょっと照れくさい部分はありました。
浦川翔平:歌詞を書くときは外に行くんですよね、キーワードになりそうな物体があるところとか。今回は曲のエモさを重視して、目黒川沿いのバーで、歩いているカップルとか、いろいろ見ながら書きました。
神谷健太:家は無理だね。なによりも歌詞を書こうと思ったら書けない。一番出るのは移動中の車の中(笑)。出ない時は本当に出ないから辞めるんですけど、出るときはめっちゃでるんです。「夢は夢のまま」は5分…3分かも。この曲に限らず、僕らはいつもテーマを決めてそれぞれで書いてきてつなげるんですけど、今回はまだ夏ってやってないよね、失恋系?っていうテーマがあり、失恋、切ない、夏、携帯ってキーワードがあって。僕と翔平はわりと近いことが多いのですり合わせることが多いよね。
浦川翔平:そうですね。
神谷健太:「INVADERZ」でもブリッジで落ちるところは僕と翔平なんですけど、最後の1行はLIKIYAさんなんです。僕と翔平でとことんガーッといって、LIKIYAさんに落としてもらおうと。RECの時にLIKIYAにその意図を伝えたら……
浦川翔平:そういうことだろうなって察してたって(笑)。
MA55IVEは型を作らない、変わり続ける
ーー頼れますね! 引き続き、OLDMAN WILDINさんとのタッグだとか。この感じはしばらく続いていくんでしょうか。
LIKIYA:決まっているわけじゃないですけど……その時々によるのかな。続けていきたいなとは思ってます。
浦川翔平:MA55IVEはいまスタイルを探し求めている最中というか、曲もいろいろあるし……まだ100%MA55IVEみたいなものはないんですよね。
ーー型を作らないというのがMA55IVEなのかもしれません。
神谷健太:時代を追ってるからね。時代によって音楽も変わっていくと思うので。
翔平:そうですね、リアルタイムで追っていくんで。