ドラマ「俺たちの旅」主演で主題歌を歌った中村雅俊「1カ所だけ小椋佳さんの歌通りに歌ってないところがある」

当時の話に花が咲く

 オープニングの映像では中村、田中、秋野太作の3人が肩車をするシーンもあるのだが「吉祥寺のサンロードというアーケード街の入り口で監督が急に“じゃあ肩車”と。誰が一番上になるかもその場で言われた」(中村)と明かした。

 このような撮影現場ということもあってか「監督があまり台詞をおぼえなくていいって言ってたよね(笑)」(田中)、「悪い習慣がありまして、台詞を覚えてこないんです。なんでかといえば監督がその場でどんどん台詞を変えちゃうから。だから覚えて行ってもなしになる」(中村)といったこともあったよう。

 またエンディングでは中村の歌う「ただお前がいい」という曲をバックに散文詩が流されるのだが、中村は「『俺たちの旅』の前に松田優作さんと『俺たちの勲章』っていう刑事ドラマをやっていた。同じプロデューサー、同じ脚本家、同じ監督だったんですが、今度は大学生の話をやると聞いて、どういう話なのか分からなかった。台本ができた時に、刑事ものみたいに人が死んでそれを解決するみたいなはっきりしたストーリーじゃない。鎌田さんに台本を見せてもらった時に正直に言えって言われたので“鎌田さん、これあまりドラマがない。どういう話なんですか?”みたいな話をした。鎌田さんも試行錯誤していて、どういう話というものが具体的になかった。それでエンディングの詩は最後に“これはこういう話だったんだよ”という補足の意味で苦肉の策で考えたと鎌田さんが言っていた。それがすごく印象的。最後に詩が流れて『ただお前がいい』という歌がバックに流れるというのはそういう中で生まれたものなんです」と語った。