異色のバチェラー・長谷川氏の結婚観と、視聴者との“共通点” 『バチェラー・ジャパン』シーズン5・第9〜10話考察【ネタバレ有】〈アラサー女子のバチェラー語り〉
『バチェラー5』が思い出させてくれた、ハックで掴めない「真実の愛」
今回の『バチェラー』がいつもと違う見どころを生んだのは、やはり長谷川氏の人柄が大きい。他シーズンのバチェラ―にはなかった親近感があり、だからこそ女性たちも、恋愛テクニックを駆使するのではなく、本質的な人間性でバチェラーにぶつかることができた。
だからこそ、女性メンバー同士の絆が生まれた。人間性でぶつかって負けるのなら、仕方がないと諦めもつく。メンバー同士で駆け引きし合うような流れも生まれず「ど直球」なストーリーとなり、涙を誘うアツいシーンも多かった。
これまで、ハイスペ男性を奪い合う婚活サバイバル番組として、他の恋愛リアリティにはない見どころを提供し続けてきてくれた『バチェラー』シリーズ。しかし、シーズン5はこれまでで一番、バチェラーの結婚観や人柄が“一般より”だった。もちろん、いい意味でだ。だからこそ、視聴者からも多くの共感を集めた。
第10話『アフターファイナルローズ』で、どのバチェラーシリーズよりも早く婚約カップルが誕生したことも印象的だった。お互い、旅の中からホンネでぶつかりあってきたからこそのスピード感もあったのではないだろうか。
もともと「ハイスペ男性を落とす恋愛テクニック」「非日常なほどの美女たちの振る舞い方」などが見どころだったバチェラーシリーズだったが、今回は1周まわって“恋愛番組的原点回帰”により、私たちに感動を届けてくれた。恋愛や結婚が「ハック化」され発信されていく機会が増えた世の中だが、長谷川氏と大内さんは、ありのままの人間性や、ウソのない言葉でお互いをさらけ出すシンプルな恋愛構造による、真実の愛の見つけ方を教えてくれた。
恋愛ハックは「恋愛にはテクニックも必要」ということを教えてくれるが、今こそまさに『バチェラー』を見て「テクニックだけが恋愛ではない」ということも、思い出してほしい。
(文・ミクニシオリ)
作品ページ:https://www.amazon.co.jp/dp/B0BZZC8CKV
本予告:https://youtu.be/rj6LikEIFlY
話数:本編10話
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