2025年度完成予定の「環状七号線地下広域調節池」は1時間に100mmの集中豪雨にも高い効果が期待【関東大震災から100年】

「シールド工法」で掘り進める(撮影・蔦野裕)

 こういった水害から都民を守るために東京都ではこれまで神田川流域、石神井川流域および白子川流域での集中豪雨に備えて、白子川地下調節池(約21万立方メートル)と神田川・環状七号線地下調節池(約54万立方メートル)を整備していたのだが、この2つを連結する「環状七号線地下広域調節池」の整備に着手。2025年度完了を目指している。この環状七号線地下広域調節池は延長5.4kmで貯留量は68万立方メートルで、3カ所の調整池が連結すると総延長13.1kmにおよび、合計143万立方メートルを超える貯水量を確保することができる。68万立方メートルというのは25mプールだと約2200杯分、つながった際の143万立方メートルは約4800杯にあたるという。

 そして連結の際には白子川、石神井川、妙正寺川、善福寺川、神田川の5河川をまたがることから貯水量を複数の流域間で相互に融通することができるようになるため、1時間に100mmほどの局地的かつ短時間の集中豪雨にも高い効果が見込まれている。

 今回の環状七号線地下広域調節池は「シールド工法」により深さ約50mの地下を掘り進めている。シールド工法というのは「シールドマシン」と呼ばれる筒形の機械によって地中をモグラのように掘り進める工法。トンネルの大きさは内径12.5mで1分で3~5mm、1日で約4m掘り進んでいるという。この4mというのはセグメント組んだリングで2つ分の長さ。