2025年度完成予定の「環状七号線地下広域調節池」は1時間に100mmの集中豪雨にも高い効果が期待【関東大震災から100年】
「立坑」もシールドマシンで直接くり抜いた(撮影・蔦野裕)
工事はシールドマシンで掘り進め、その後方部分でトンネルの外壁となる「セグメント」と呼ばれるブロックをエレクターという装置で1ピースずつリング状に組み立てていく。1リング分のセグメントが組み終わると掘削を再開する。トンネルの壁1リングは8つの大きなものと1つの小さなセグメントで組まれ、内径12.5m。トンネルの壁は3511リングで構成され、セグメントの総数は3万1599ピースに上る。また今回の工事では地表と坑内を結ぶ垂直に掘削された「立坑」もシールドマシンで直接くり抜くという世界初の試みを行ったという。
現在、東京都では時間最大75mmの降雨に対応できるように施設を整備中なのだが、気候変動により将来的には時間最大83mmの降水量という数字も出ている。もっとも現在の75mmという数字は東京都全域に同時にそれだけの雨が降った場合を想定しており、気候変動に伴う降水量の増加は局所的な集中豪雨が想定されていることから、現在の施設でも十分可能と思われている。