災害時はもちろんだが平時の備えも大事。東京都の漏水率3%を支える「水道局研修・開発センター」【関東大震災から100年】

離脱防止機能を備えた水道管への交換が急ピッチで進行中(撮影・蔦野裕)

 古い水道管は地震等の外部からの圧力で壊れたり、継ぎ目が抜けたりということが起こってしまうため、東京都水道局では離脱防止機能を備えた地震に強い、地震でも抜けない水道管への交換を急ピッチで進めている。

 関東大震災が起こった時代、水道管は第1世代といわれる「普通鋳鉄管」を使用していた。その後の1920年代から第2世代といわれる「高級鋳鉄管」、そして現在は第3世代の「ダクタイル鉄管」に進化している。ダクタイルというのは英語の「Ductile」のことで、延性のある、強靭なという意味。このダクタイル鉄管は大きな地震が起きても破損・損壊が起きないように改良を重ね、現在、最も多く使われている「離脱防止機能付き継手(NS型)」は地震の際に管が外れてしまわないようにロックリングが挿入されているのが特徴。この離脱防止機能付き継手が使用され始めて約30年なのだが、阪神・淡路大震災などの大地震の際も被害は皆無だったという。

 もっとも、東京都の排水管網は約2万7000キロに及ぶことから、それを一気にダクタイル鉄管に変えることは不可能なので、災害時の被害を想定したうえで駅の周囲といった地域を優先するなどメリハリをつけた工事を行っている。