災害時はもちろんだが平時の備えも大事。東京都の漏水率3%を支える「水道局研修・開発センター」【関東大震災から100年】
「音聴棒」で漏水個所を探知(撮影・蔦野裕)
また水道管自体の耐震対策はもちろんなのだが、災害時には飲料水をはじめとする生活のための水の確保、消防作業などあらゆる面で水は必要不可欠。水の安定的な供給のために東京都水道局では2005年に「研究・開発センター」を開設。ここでは原水水質の変化に応じた浄水処理技術や発災時・大規模な漏水事故発生時の緊急対応など水道独自の業務ノウハウや現場に直結した技術の研修や開発、そして人材育成を行っている。
強靭化プロジェクトと直接つながるわけではないのだが「漏水対策」というのも限りある水資源の有効利用という点では重要な課題。こちらは特に平時からの早期発見・早期修復がカギとなる。東京都では漏水率3%という世界的にも低い漏水率を維持しているのだが、漏水探知については「音聴棒」「電子式漏水発見器」を用い、人間の耳で漏水個所を発見している。探知にあたっては音を聞き分ける熟練した経験と耳が求められ、昨今叫ばれるAIなどではまだ取って代わることのできない仕事となっているようだ。