映画『福田村事件』W主演の田中麗奈「これほどまで大きな事件をなぜ知らなかったのか」

井浦新とW主演の田中麗奈

 映画「福田村事件」が9月1日に公開され、東京・新宿のテアトル新宿で森達也監督、W主演の井浦新、田中麗奈らが出席し舞台挨拶が行われた。

 同作はドキュメンタリー映画で名を馳せる森監督の「劇映画」長編デビュー作。今から100年前に発生した関東大震災の時に、千葉県東葛飾郡福田村で行商団9人が地震後の混乱の中で殺された虐殺事件をモチーフとしたもの。関東大震災時に各地で起こった「朝鮮人虐殺」、そして朝鮮人に限らず”善良な人々”が殺された日本の負の歴史をつまびらかにする問題作が関東大震災から100年のこの日に公開された。

 井浦新とともにW主演を務める田中麗奈は「私もこの映画に関わるまで福田村事件のことは知りませんでした。これほどまで大きな事件をなぜ知らなかったのか。今日座っていらっしゃる方も皆さん、ほとんど知らなかった方が多かったと思うんですが、なぜこのような大きな事件が私たちに伝わることなく100年過ぎたのか、見てくださった方には感じていただけたんじゃないかと思います。“100年前のことでした”で終わることではなく、現代の私たちの生活にもこの福田村事件は問いかけていることはたくさんあるかと思います。答えは人それぞれだと思います。今感じてくださったことを言葉にするのは難しかったり時間がかかるかもしれないんですが、ぜひ福田村事件のことを知っていただきたいと思いますので、身近の方にお勧めしていただければ幸いです」と語った。

 田中は朝鮮で日本軍による虐殺事件を目撃し、日本統治下の京城を離れ、故郷の福田村に帰って来た井浦演じる澤田智一の妻・静子を演じている。

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