練馬区立豊玉南小学校でSDGs授業「環境問題どうすればいい?」講師は社会起業家の中西武志氏

スモーキーマウンテンで安全で衛生的な仕事を提供するには?

 預金金利の一部を環境保全のために捻出できる「環境保全預金」は大きな成功を収め、アフリカにおいても展開できたという。「難しいでしょう? でも、簡単だったら私みたいな人はいない。かなり複雑なことをやったんだけど、これを理解して共感を覚え、お金を出してくれる人が世の中にたくさんいたんです」と中西氏。その後、カーボンニュートラル自動販売を1台設置するごとに1本植林する 「LOVE the EARTH ベンダー」の取り組みも紹介した。

 最後に、児童に「フィリピンのスモーキーマウンテン(スラム街のゴミの山)で安全で衛生的な仕事を提供してください」という課題を投げかけ、子どもたちからは「ゴミの山を一度移動させて、少なくなったゴミを分別してリサイクルする」「生ゴミを畑の肥料にしてリサイクルする」「クラウドファンディングで現地の人に靴などを提供。国連貿易開発会議にフィリピンと貿易できるよう働きかけてもらう」「東京みたいに埋立地を作る」といったアイデアが飛び出した。

 中西氏は「私たちは廃棄物燃料を製造する工場を作り、セメント会社がその燃料を石炭の代わりに使っている。課題を解決する方法は一つではなく100%の正解もありません。これからも学んで理論を身につけること、そして行動を起こすことの両輪で世の中の課題を解決してほしい」とまとめて授業を終えた。この授業は一般財団法人ピースコミュニケーション財団によるピースコミュニケーションプロジェクトの一環として行われた。

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