鷲尾伶菜、20代最後のアルバムで大切な人たちに届ける「アーティスト・鷲尾伶菜」の熱
大切な人を守るために歌いたい
ーーアルバムに関して。いただいた資料に、鷲尾さんが「大切な人を守るために歌う」ってフレーズがあって。”寄り添う”だとか、”背中を押す”とかはよく目にしますが、守るって意外と力強いなと思って。それはどういうことなんだろうって。
音楽は人に寄り添ったり人の心を支えたり、時に悲しくさせたり、そういうものだと思っていて、人間とすごく近いところにあるんですよね。自分にとっては、なくてはならない存在で、何をしていても常に隣りにいて、すごく助けられた感覚があるんです。
ーー自分自身にもそうして「守られてきた」っていう感覚があるんですね。
ありますね。だから自分の音楽も誰かにとってそうありたいなって。
ーーいろんなタイミングでいろいろな曲に「守られてきた」んじゃないかなとは思うんですが、例えば、どんな曲に?
本当にたくさんあるんですけど、例えば、Aqua Timezとか……。Aqua Timezは、自分ができないものをやっている人だから余計に尊敬するし、好むんでしょうね。『決意の朝に』を本当によく聞いていた時代があります。解散ライブも一人で見に行ったんですよね、横浜アリーナまで。
ーーそういう経験があると自分もできるならって自然に思いますね。そうすると、どんな音楽を作って届けたいかってところへと意識が……?
思うのは、聴いてくださる方の隣りにある音楽が私が発信する音楽だったらいいなってこと。辛い時悲しい時だけじゃなく、ドライブソングでもそうです。人の隣りにある、音楽が身近にある、音楽がある空間とない空間ってやっぱ感じ方が変わってくると思うから。
音楽っていろいろあります。アーティストを続ける上で、音楽の需要とかを考え出すと止まらなくなります。「何をやるべきか」「何を求められているか」っていうことは永遠の課題で正解がありません。だからこそ、自分の美学みたいなものを貫き通すしかないなっていう結論に至ったというか、気づいたんです。自分はこう思うんだ、自分はこういうものが好きなんだっていうものを発信することがアーティストだなって。もちろんファンの皆さんが好きだっていってくれそうなもの、喜んでくれそうな曲という意識を持ちつつも、1番は自分自身が好むもの、自分が今やりたいこと、楽しんでやれるものが一番届くかなって思うんです。
「今日が一番素晴らしい 1 日だった」と思えるライブを
ーーこのアルバム、そしてライブを通じて、自分の好きと、やりたかったことを届けにいくんですね。ライブの準備もそろそろ?
そうなんです。セットリストを決めて、アレンジだったりバンドのあれこれを詰めていく段階です。作る作業は楽しいですけど、私は緊張しいだから、ライブが近づくとナイーブになっちゃうんで、その自分の感情と戦いながらですね。大変ですけど苦労っていうのはなくて、さっきの話にも重なるけれど……タオルを振り回すような曲がないぐらい?
ーータオルを振り回すタイプの楽曲、ほしいですか?
やっぱりライブの抑揚みたいなものがほしいですから(笑)、理想的には。自分がライブに行くと見てる側として面白いし。もちろんギター1 本ピアノ1本で1時間半やりきるとか、おしゃれでかっこいいと思うけれども、ちゃんと上げて下げてっていうものを自分は作りたいんですよね。
ーーカバー曲に力を貸してもらうということもできますよね。今回のアルバムに収録されているような。
そうなんです、実はいつも力を貸してもらってます(笑)! 前回のリクエストライブもVaundyさんの曲に助けられましたし、グループ時代の曲も使わせていただいて構成を作っていたり。私は恵まれているんですよ。ソロも含めると3つのグループを経験してるようなもので、グループごとにカラーがあって、それぞれの楽曲にも世界観がある。だからライブがフェスみたいになるんですよ。
ーー11月のビルボード公演も楽しくなりそうですね。
楽しかったであれ、ちょっと自分の好みとは違ったとかでも……なるべくそういうふうにはならないように努力をしているけどだけど、その方のかけがえのない瞬間になればいいなって。ライブが終わって家に向かうときに、今日が一番素晴らしい 1 日だったって思って帰ってほしいっていう気持ちはありますね。
「20代のうちにやりたいこと、なんか全部やりました」
ーーさて、今年も残すところ3カ月をきりました。鷲尾さん的には20代も残すところあと4カ月ってところでしょうか? これはしておきたいというようなことはありますか?
そうかあ……でも20代のうちにやりたいことって、なんか全部やりました。何でも経験したことがあるんじゃない?って思っちゃうぐらい20代は濃厚でした。ダブルダッチ、空中ブランコ、日焼け止めクリームを持ってないぐらいインドアな私が富士登山もやりましたしね(笑)。
目標を立ててそれに向かってというタイプでもないし、今年もここまでこのアルバムを作るのに必死だったし、20代のうちにやっておきたいことなんて考えなかった。30になって自分が何をしたいかも、そうなった時の自分の感情が今は分からないから……その時に考えます。
ーーそれが鷲尾さんだろうな(笑)。今日はありがとうございました。
(TOKYO HEADLINE・酒井紫野)
小竹正人作詞の楽曲「銀色」や鷲尾作詞による「Always I’m into you」、タイトル曲の「For My Dear」のほか「So Addictive」、Coccoの名曲「強く儚い者たち」など全10曲を収録。初回生産限定盤(2CD+Blu-ray)のCD2はVaundyの「怪獣の花唄」、wacci「恋だろ feat.春茶」などカバー曲全10曲を収録、Blu-rayには2023年に行った自身初のリクエストライブ(横浜)の模様と「銀色」のミュージックビデオを収録している。初回生産限定盤(2CD+Blu-ray)8250円、初回仕様限定盤(CD)3000円。共に税込み。
■Reina Washio Billboard Live
【日程】
11月7日(火) ビルボードライブ大阪 満席
11月13日(月)ビルボードライブ東京 満席
11月14日(火)ビルボードライブ東京 〈追加公演〉
1st Stage:16時30分開場/17時30分開演、2nd Stage:19時30分開場/20時30分開演
11月16日(木)ビルボードライブ横浜 満席
【料金】サービスエリア 8500円、カジュアルエリア 8000円
■『For My Dear』リリースイベント開催中
【日程】
10月14日(土)東京・タワーレコード渋谷店 5F
第1部:15時30分~、第2部:17時~~
■鷲尾伶菜 公式X:https://twitter.com/rei__official_
■鷲尾伶菜 公式Instagram:https://www.instagram.com/reina.washio.official/
■鷲尾伶菜 YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UC36d9BfqBDm4ToLVvPnI1zg