品川区の小学生が「住み続けられる未来の品川区」をテーマに討論。最優秀賞は「助けてくださいカード」を提案したグループに

最優秀賞を受賞したグループと財団の代表理事である一木広治氏(左)と森澤恭子品川区長(右)(撮影・蔦野裕)

 その後、審査員と司会を務めたジャーナリストの堀潤氏が取材の現場で感じてきた問題をテーマに講演を行った。堀氏はAIが「飯テロ」という言葉で画像を生成した際に、いかにも中東のイスラム教を信仰する人物をイメージさせるものが出来上がったことを引き合いに出し「果たしてそうか? テロリスト=このような地域の人たちではない。なぜAIがそう判断したか? そういう情報がたくさん出回ってしまっているから。僕らが知らず知らずのうちに勝手に思ってしまっているからかもしれない。これは固定概念とか思い込みとか言います」などと語ったうえで、現在、ガザで起きているハマスとイスラエルとの紛争を引き合いに出し「ではイスラエルがすべて攻撃しているのかといえばそうではない。どっちが正しくて間違っているという単純な話ではない。クエスチョンが大事。丁寧に話を聞いてほしい」などと多角的なものの見方を解説。そして「知らないことはまだまだたくさんある。勝手に決めつけないで」とメッセージを贈った。また広島の被爆者を取材した際のエピソードとして、平和を実現するために必要なものとして「勇気と行動と愛」という言葉を教えてもらったことを明かした。

 この間に行われた審査では、街中で困った人が使う「助けてくださいカード」の実現を提唱したグループが最優秀賞を獲得。表彰式では森澤恭子品川区長が「プレゼンテーションもそうですし、鋭い質問、それに対する回答が素晴らしくて勉強になった。皆さん、普段から社会に対するアンテナを張っていつもどうすればいいのか考えているということがよく分かりました」などと語った。最優秀賞を受賞したグループは来年3月に東京都庁で行われる「第4回国連を支える世界こども未来会議」への参加権と副賞として東京タワーとSMALL WORLDS TOKYOのペアチケット5名分が贈られた。