BALLISTIK BOYZ「この作品にかけてます」新曲は世界に照準! 全英詞&タイで制作したコラボ曲〈インタビュー〉
深堀未来
ーーそういったタイでの半年間から生まれたのが、シングル『All I Ever Wanted feat. GULF KANAWUT』。それに先立って発表した「Drop Dead feat. TRINITY」も収められています。この2曲の制作はすべてタイで?
深堀:どちらの曲もタイのアーティストでプロデューサーのBOTCASHさんとタイで制作しています。制作スタイルは一緒にセッションしながら作ってっていう感じで、BOTCASHさんが作っているものを聴かせていただきながら、僕らもこういうものにしたいといった意見を伝えて、それを反映してもらって……という感じです。BOTCASHさんは、F.HEROさんが引き合わせてくれました。
ーータイに行く以前に制作やレコーディングの経験があって、BALLISTIK BOYZのスタイルであったり、やりやすい制作方法も出来上がりつつあったと想像します。そうしたなかでタイでの制作というのは楽しめましたか?
砂田:最初の「Drop Dead」の時は驚いたというか……自分たちでディレクションして、自分たちで録るみたいな、スタジオだけ用意しました!みたいな感じでね(笑)。
深堀:びっくりしましたよ。僕が(レコーディングの)一発目だったんですけど、歌うじゃないですか、これまでならディレクションの方がいて、僕の歌に対して意見やアドバイスをくれるんですけど……何も返ってこない(笑)! 「今のでいいんですか?」と聞いたら、「それは……君はどう思うの?」って。あの時は、メンバーはいないし、僕一人だし、焦りました。
ーーそれは1人ずつ呼ばれるスタイルだったんですか?
砂田:……最初は1人ずつ行こっかって感じだったんです。
日髙:どういう感じかわからないからね(笑)。
砂田:大変だったんですけど同時にいい経験でもありました。いずれ僕らの制作はこうしたいっていう理想の形でもあるので、それを経験できたということ。日本でいっぱい曲も作ってきて、色々レコーディングの経験をしてきたからなんとかなったなって。デビュー直後だったら絶対できなかったです。
日髙竜太
ーー『All I Ever Wanted feat. GULF KANAWUT』も同様なスタイルですか?
日髙:ディレクションの方はいました(笑)。英語の発音だったり、歌的な指摘をしてくださる方もついてくれたので、ありがたい部分もあれば……難しい部分もありました。英語で歌ううえでの発音という部分を「Drop Dead」よりも丁寧に取り組んだんです。英語ができるメンバーも僕のように喋れないメンバーも助かった部分がありますね、正解をちゃんと示してもらえたので。
奥田:全部英語で、ラップはワードも多いし、英語がネイティブの人が歌ってもちょっと早いぐらいで、すごく難しい曲です。気持ち的にはすごい楽しみっていうのがあったんですけど、この曲自体のクオリティーを上げるためにどうすればいいのかなってずっと考えてました。ラインよりも単語の発音にこだわって、レコーディング前は利樹や流星と単語の発音練習をしたり細かいところを詰めたり。練習はかなりしましたが、それがいい経験にもなって、完成した時には新しいBALLISTIK BOYZを表現できたと思いました。
ーー全英詞だからということだけでなく、楽曲だったり、制作体制の変化も含めて、「All I Ever Wanted feat. GULF KANAWUT」は本気出してきたってバシバシ感じる作品ですね。
松井:もうこの作品にかけてます、はい。次の作品にもかけてます。これからの僕たちの作品も楽しみにしてください。
砂田:(インタビューを)シメにいった(笑)!
ーーまだ、もう少し時間はありそうです(笑)。
松井:そうなんですか? では……マジでこの曲の発音は大変でした。歌詞が出来上がって送られてきた時から力也に教えてもらっていました。ホテルの僕の部屋のベッドで寝転がりながら、ずっと……。英会話レッスンみたいに。
砂田:……行けよ、自分で(笑)。
松井:家庭教師みたいな感じで(笑)。
奥田:コレ(お金のジェスチャー)はいただいて……。
ーー支払いはカオマンガイとか(笑)?
松井:それはコーラ1本で大丈夫でした。
奥田:……助け合いです(笑)。
ーー海沼さんはポルトガル語のアドバンテージがあったりは?
海沼:そういうのは……ないんですよ。ポルトガル語の発音にはないけど英語にはある、その逆もっていうのがあって、力也や将宏に教えてもらいながら直していくっていう。そうやってやっていくと発音に集中しちゃうので曲としてのクオリティーが、ね。発音はいいけどフロウが上手くいってなかったり、ぐちゃっとしちゃって聞き心地が良くなかったり。今後も当たり前にこういう壁にぶつかるんだろうなと思っていて、日々英語を喋るつもりでやっていきたいなって思っています。
加納:やっぱり海外で活躍したいって思ってる以上、そこは避けては通れないよね。でも僕はすごく楽しかったです。毎回レコーディングは楽しいですよ、日本語でも英語でも。どうやったらうまく歌えるか、考えたり話したり。そういうことをしているのがすごく楽しいんです。
ーーそうあってほしいです、つらいとか大変とかだけじゃなくて! そういう意味ではこの作品、深堀さんは他のメンバーよりも楽しい部分があったのではないでしょうか。リミックスが収録されていますよね。
深堀:もともとは自分のトラックを作る練習でBALLISTIK BOYZの曲のリミックスを作ってみたりしてたんです。それをどうしたいっていうのはなくて趣味みたいな感じで。それでメンバーや会社の人にも聞いてもらったりしてる中で、ハロウィーンだしっていうことでやってみたらって。
ーー出来栄えは?
日髙:最高です!
深堀:頑張りました。ただ結構マニアックかな。僕のリミックスなんで万人受けを狙うよりもマニアックに走りました。
松井:100万人に届くより目の前の1人に届けろみたいな、そういう感じでかっこいい。
深堀:……僕は100万人に届いたほうがうれしいですけど!(笑)
ーー シングルにはミュージックビデオも収録されています。撮影現場に、タイならでは!といったことはあったんでしょうか。
松井:それはスタッフさんがめっちゃ盛り上げてくれること。撮ってるカメラの後ろでキャー!竜太君が歌い出したら竜太ーーー!みたいな。
日髙:タイ語で「かっこいい!」みたいなのをめっちゃ言ってくれるんですよ。まるでファンの方がいてくれるみたいな感じなので、こっちもちょっと気持ちが良くなって乗ってくる。僕はボーカルなのでダンスがメインの楽曲になってくると、辛い瞬間っていうのがあって。踊るのが。そういう時、「かっこいい!」って盛り上げてくれるので助かります。
ーーそういったカルチャーを日本の制作現場に持ち込もうとか……? 作品によるとは思いますけど、いい影響がでそう?
日髙:なんか僕らから求めても……ね(笑)。(スタッフが)乗り気じゃなかったらとも思っちゃうし、そうなってくれたらうれしいですけど。
ーーでは、それはちゃんと書いておきますね(笑)。今後の作品も楽しみにしています。
(TOKYO HEADLINE・酒井紫野)
New Single『All I Ever Wanted feat. GULF KANAWUT』発売中
2022年9月から半年間滞在したタイで製作したコラボレーション楽曲を収録。表題曲「All I Ever Wanted feat. GULF KANAWUT」はタイ国内外で注目を集めている人気俳優の GULF KANAWUTをフィーチャリングし、T-POPとJ-POPを融合させたダンスポップナンバー。「Drop Dead feat. TRINITY」は注目の若手グループ、TRINITYを客演に迎えたアツさとクールさを兼ね備えた硬派な楽曲だ。また深堀未来による「Ding Ding Dong -Miku’s Halloween Remix-」も収録している。[CD+DVD]盤のDVDにはリミックスを除く2曲のミュージックビデオを収録している。[CD ONLY]が1500円、[CD+DVD]が2500円。ライブ映像も収録した[CD+DVD・+Blu-ray]5500円もある。すべて税込。rhythm zone中。