種田山頭火賞受賞の桃井かおりが桃井的信念「気持ち悪いことも我慢できる体にしておいてはいけない。“嫌い”も大事」
選考委員を務めた山田五郎氏(右)と中江有里氏
今年は評論家の山田五郎氏と作家の中江有里氏が選考委員を務めたのだが「とにかく、どういう基準で選ばれたのかということだけが気になる(笑)」という桃井に山田氏は「選考基準が山頭火的な生き方をされている方ということで、そこで浮かんだのが“無頼”とか“孤高”という言葉だった。そうなると桃井かおりさんでしょという話になった。桃井さんは『赤い鳥逃げた?』とか『あらかじめ失われた恋人たちよ』とか、のっけから捨て身の演技で入って来られた方。その後もATGの映画に出られていたこともあって、アングラ感があった。それが芸能界の王道をそのまままっすぐに進んで行かれたという、そのすごさ。大樹の陰に寄るわけではなく、本当に自身が納得された役だけを堂々と演じられて、なおかつど真ん中を歩いてこられた。桃井さんほどこの賞にふさわしい人はいないと思った」などと桃井のこれまでの生き方を山頭火に重ねた。
中江氏はドラマで共演した際の桃井のたたずまいを紹介したうえで「今回の選考の中で桃井さんの名前が出たときに、桃井さんしかいないと思った。山頭火の俳句に『まっすぐな道でさみしい』という句がありますが、桃井さんで解釈すると、まっすぐな道を一人で歩いてこられているという強さ、軽やかさ、その両方を持ち合わせた唯一無二の方だと思いました。この賞にふさわしいと思うし、受賞して頂けて感謝申し上げます」などと山頭火の有名な句を挙げ、選考理由を語った。