種田山頭火賞受賞の桃井かおりが桃井的信念「気持ち悪いことも我慢できる体にしておいてはいけない。“嫌い”も大事」
スピーチする桃井
桃井は授賞式後の取材で「今度出る本に“70過ぎていらないのは今までの自分”と書いたんですが、コロナのあの時期に桃井かおりは今までの悪事、汚点、失敗、すべてをものすごく反省した。それでも生きてこれたのは言葉の力だった。着物を着慣れる、その先に着崩すというのがあるんだから“生き崩す”というものもあってもいいんじゃないの?とか、そういう言葉を思いついたりして、キャッチコピーのように書いて、反省して生き直すっていうの? そういうふうにして生き延びたんですね。これくらいの生き方をしていると、ホントはね、ものすごく、ひどい末路を迎えていなければいけないはずなんです。だけど、そこそこ幸せに、そこそこやってきてしまって、まだ生きているんでなんか申し訳ないような気持ちもひそかにしていたんですよ。そうしたら“こういう暴れ者も生きていてもいいんじゃないか”という、そういう賞ですよね?をいただいた。前に、みんな亡くなっていくなかで、ある名マネジャーとテレビ局の廊下ですれ違ったら“やだ。まだ生きてる恐竜、桃井かおりだけじゃん”と言われたんです。あたしが最近聞いた言葉で一番気に入った言葉なんですが、今日はその第2弾という感じ。生きている時の山頭火はものすごく迷惑かけているに決まっているわけで、私どころではないわけですから。だけど、まっすぐの道を歩いていた。まっすぐの道にたたずんでいた。その道に連なっていてもいいと言われたわけですから。冗談抜きにさっき泣きそうでした」などと改めて受賞の感想を口にした。