ノーベル平和賞受賞者6人が「世界平和」「女性の権利問題」「児童の保護」「国際協調」などさまざまなテーマで講演

レイマ・ボウィ氏(撮影・蔦野裕)

 続いて、2011年の受賞者レイマ・ボウィ氏が「世界平和に向けて女性がどんな役割を担うのかということを話したい」と「世界平和に資する女性の役割」というテーマで講演を行った。ボウィ氏は「戦争下で女性が保護されているという誤解に抗議したい」などと語ったうえで「平和構築の上で女性の役割については真剣に考えなければいけない」「女性の活躍なしに平和はあり得ない」「平等なしに平和はあり得ない」「多くの国において女性が平和のプロセスに入れない状況が続いているが、平和のためには女性が必要」などと指摘した。

カイラシュ・サティヤルティ氏(撮影・蔦野裕)

 2014年の受賞者カイラシュ・サティヤルティ氏は「私たち全員が感じていると思う、子どもの自由、そして思いやり。今日お話ししたいのはこのことについてです」と「児童保護と世界平和」というテーマで講演を行った。サティヤルティ氏は今も続くイスラエルとパレスチナの紛争を挙げ「なぜ子どもたちがこの犠牲になるのか。親が殺され子どもたちが泣いている。パレスチナの子どもはすべて我々の子ども。イスラエルの子どもたちもそう。子どもたちに責任はない。なのになぜ子どもたちがその犠牲を払わねばならないのか」と訴えた。世界中で起こる紛争に対し「我々はまだ文明国家ではない。我々は対話をしていない。互いにテーブルについて物事を解決しようとしていない。それは残念なこと」と語った。