ノーベル平和賞受賞者6人が「世界平和」「女性の権利問題」「児童の保護」「国際協調」などさまざまなテーマで講演
シリン・エバディ氏(撮影・蔦野裕)
2003年の受賞者シリン・エバディ氏は「イランと中東における人権の問題についてお話ししたい」と「民主主義と市民主権」のテーマで講演。エバディ氏は中東では長く女性の権利が軽視されていた歴史と、最近ではそれを良しとしない男性の力も借りフェミニズム運動が進展していることを説明した。また昨年起こったヒジャブ未着用の女性が警察に捕まった際に死亡した事件とそれに伴う抗議デモの顛末を紹介。そのうえで「世界中の民主主義国家にお願いしたい。イランの独裁国家を支援しないでほしい。商業上の取引の裏で苦しむ無辜の民の存在を忘れないでほしい」と要請。そして「イスラム教に誇りを持っているが政治と宗教は分離してしかるべき。私たちは世俗主義を掲げている。宗教を選ぶ自由を求めている。イランの国民が勝利した暁には中東の平和が訪れる」などと訴えた。
1992年受賞のリゴベルタ・メンチュ・タム氏は手術後であることと国内の政治的状況の悪化により来日を中止したため撮り下ろしのビデオメッセージで「多様性と世界平和」について講演した。