竹中直人が語る最新作『マーベルズ』「最強女性ヒーローに誰もかなわない!」

アベンジャーズ最強ヒーロー、キャプテン・マーベルの新たな戦いを描くシリーズ最新作『マーベルズ』が公開中。シリーズを通して数々のヒーローたちを見守ってきた“アベンジャーズ創設者”ニック・フューリーの声を2012年から演じる竹中直人が、ヒーローたちへの思いを語る!

撮影・蔦野裕 ヘアメイク:和田しづか スタイリスト:伊島れいか

 俳優・映画監督の竹中直人が「毎回、楽しみでたまらない」と語る仕事の一つが“吹替”だ。

「吹き替えの仕事は昔からあこがれていました。テレビでは洋画もドラマも吹替版を見て育った世代ですからね。でもこんなに長く、あのニック・フューリーの声を担当させて頂けるとは思ってもいませんでした」

 竹中が『アベンジャーズ』(2012)以来、並々ならぬ情熱で声を演じ続けているのが、アベンジャーズの創始者ニック・フューリー。ヒーローたちを陰ひなたに支えるニックは、シリーズ通して最重要キャラクターの一人だ。演じるサミュエル・L.ジャクソンもまたハリウッドに欠かせない個性派俳優であり『アイアンマン』(2008)以降、ニック・フューリーは彼のハマり役となっている。日本語吹替版では、竹中の渋みのある低音ボイスがそんなニックの魅力を最大限に引き出している。

「シリーズ最初のころ、ニックの吹替を担当していたのは手塚秀彰さんでした。僕も最初からシリーズを見ていて、自分の中でニックの吹替のイメージは完全に手塚さんでした。だから『アベンジャーズ』でお話を頂いたときはうれしくもあり不安でもありました。手塚さんは僕の青年座時代の先輩でもあります。本当に自分が継がせていただいて良いのかという思いがありました。それに、一度手塚さんで出来上がったニック・フューリーのイメージを崩してしまう怖さも感じて…。

 それでも、竹中の俳優ならではのアプローチでニックのキャラクターを生き生きと表現。10年余の間には、まさかの“キャラ変”もあったが…。

「『シークレット・インベージョン』(2023)のときは悩みましたよ。あのニックがいつものスタイルではなく、トックリのセーターに毛糸の帽子、アイパッチさえしていませんでしたからね。ニック・フューリーと言えば、あの黒のロングコートにアイパッチ。そのコスチュームから生まれてくる声の音色があるんです。あのコスチュームだからこそ出てくる声。《シークレットインベージョン》ではあまりにも普通のニック・フューリーでしたからね。こりゃあちょっと難しいぞって思いました。そして、『キャプテン・マーベル』(2019)でも若いころのニックでしたからね。その時もかなり悩みました。サミュエルも若返ってるし(笑)。でもそのむずかしさこそがシリーズを通して、一人のキャラクターの声を担当する面白さでもありますからね!」

Samuel L. Jackson as Nick Fury in Marvel Studios’ THE MARVELS. Photo by Laura Radford. © 2023 MARVEL.

 

 劇場公開最新作『マーベルズ』ではニックが再登場し、かつてない事態に直面したキャプテン・マーベルを支えることに。

「『シークレット・インベージョン』のときのニック・フューリーはかなり老いを表現していました。だからもしかすると《マーベルズ》でニックとお別れすることになるんじゃないかと心配だったんです。でもその心配は必要ありませんでした!あの枯れたニックはどこへやら、とても元気なニックだったので安心しました!」

 子どものころから数々のヒーローに胸を熱くしてきたという竹中。

「最初に夢中になったのは、手塚治虫さんの『ロック冒険記』の主人公ロックです。僕が小学校1~2年生くらいだったかな。あのころは手塚さんの作品のヒーローにあこがれることが多かったです。《ビッグX》や《ヴァンパイア》ですね。後はちばてつやさんの『あしたのジョー』、時代劇だと、さいとう・たかをさんの『無用ノ介』。そして映画館、スクリーンのヒーローとしてあこがれたのは、加山雄三さんです。洋画だとショーン・コネリーのジェームズ・ボンドですね。本当にかっこよかった。当時の僕は女性アイドルより、そういう男くさいヒーローにあこがれました。それにあの頃、今のような女性ヒーローはあまりいなかったように思います。キャプテン・マーベルはアベンジャーズの中で最強の最強ですからね!彼女は、アイアンマンもキャプテン・アメリカも、神の子ソーもかなわない、最もパワーがあって最もミステリアスな最強のヒーロー。それが最新作では、キャプテン・マーベルを慕うモニカ・ランボーと高校生ヒーローのミズ・マーベルが加わって、3人の女性ヒーローがチームを組んで大活躍するんです!本当に、もはや誰もかなわないかもしれません!マーベル作品はシリーズを観ていなくても単体でも十分楽しめますからね!」

 彼女たちの最強パワーを映画館で体感すべし!

(TOKYO HEADLINE・秋吉布由子)

 

 

(L-R): Iman Vellani as Ms. Marvel/Kamala Khan, Brie Larson as Captain Marvel/Carol Danvers, and Teyonah Parris as Captain Monica Rambeau in Marvel Studios’ THE MARVELS. Photo by Laura Radford. © 2023 MARVEL.

 

『マーベルズ』
11月10日(金)全国劇場公開
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2023 Marvel

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