小池都知事、中小企業・スタートアップの活躍が「日本を元気にする鍵」東京都ベンチャー技術大賞授賞式
東京都が都内の中小企業やスタートアップが開発した革新的で将来性のある商品や技術、サービスを表彰する「令和5年度 東京都ベンチャー技術大賞」の表彰式が11月20日、東京ビッグサイトで開催中の「産業交流展 2023」内で行われ、商品や技術、サービス15件が表彰された。
大賞は、株式会社エコノフリーズの「NEF工法」。老朽化した地下式消火栓の画期的なメンテナンス工法で、特殊な工具を使用することで、これまで施工が困難だったマンホール内に配置された地下式消火栓を断水させることなく、そして掘削もせずに交換できる。これによって、従来と比べて施工時間を約4分の1に短縮できるほか、コストも約半分になり、断水など住民への負担も少なくなるという。
審査委員長を務めた東京都立産業技術大学院大学(AIIT)の橋本洋志学長は、大賞について「新しい技術でインフラ整備に貢献し社会ニーズに着実に答えている点が高く評価された」と説明。そのうえで、「(受賞した企業は)業界の規制概念にとらわれず顧客満足度も高い個性あふれる画期的な製品や技術サービスの開発に取り組まれています。高い志を持続し、開発に取り組む皆様の好奇心や探究心に心から敬服の念を抱きます」と述べた。
小池百合子都知事は、「とても素晴らしい技術、製品、そして企業が集まった!」と笑顔を見せると、大賞の選定理由について「独創的なアイデア、卓越した技術力で巨大なインフラを活用する。それを中小企業、スタートアップが支えるということは本当に素晴らしい、期待できるもの」とし、都が進めている安全で安心な街づくりを行っていく「東京強靭化プロジェクト」に触れると、「今年は関東大震災からちょうど100年の節目。だからこそ災害に備えるインフラ技術の重要性を認識し、大賞としてこの技術が選ばれました」と改めて説明した。
また、世界ではエネルギー問題や資源を巡る競争が激化、物価は高騰、世界情勢も目まぐるしく変化していて、現在は「極めて厳しい状況」とし、「それをチャンスに変えていく、社会変革を促す、新しい技術などを生み出す、それが中小企業やスタートアップの皆様方で、東京そして日本経済をけん引されていくことに期待しています」。さらに「皆さんの活躍が日本を元気にする鍵。これからも果敢にチャレンジしていきましょう。多くの方々が様々なことで困っておられる。それらを技術で解決をしていく。頑張る皆さんを都は全力で応援してまいります」と呼びかけた。
「東京都ベンチャー技術大賞」は今年で26回目の開催。今年度は129件の応募があった。受賞企業のうち、女性が経営や開発の責任者として携わった企業を2社も表彰した。
〈大賞〉
◇株式会社エコノフリーズ
NEF工法 - 掘削不要な地下式消火栓の革新的メンテナンス工法
〈優秀賞〉
◇株式会社GATARI
Mixed Realityプラットフォーム「Auris」
◇株式会社グレースイメージング
汗乳酸技術を用いた統合データ分析システム
◇nat株式会社
手軽な3次元計測ができるアプリ「Scanat」(スキャナット)
〈奨励賞〉
◇株式会社Xenoma
心電図検査サービス「ホルター心電図検査 e-skin ECG」
◇株式会社チトセロボティクス
産業用ロボット制御ソフトウェア「クルーボ」
◇株式会社toraru
分身サービス“GENCHI”
〈特別賞〉
◇株市会社X
メタバース採用EXPO
◇株式会社オムニア・コンチェルト
環境統合制御盤OCES-1000 3D遠隔監視制御システム「スフマート」(sfumato)
◇株市会社オンチップ・バイオテクノロジーズ
細胞・微生物スクリーニング・システム「On-Chip Droplet Selector」
◇株式会社CuboRex
手押し一輪車を電動化する「E-cat kit 2」
◇株式会社ジコゼロ
労働災害事例CG動画配信サービス「ZIKOZERO」
◇テックタッチ株式会社
ノーコードのガイド・ナビゲーションツール「テックタッチ」
◇株式会社Preferred Robotics
家具の自動運転を行う自立移動ロボット「カチャカ」
◇株式会社MizLinx
海洋モニタリングシステム「MizLinx Monitor」
〈女性活躍推進知事特別賞受賞企業〉
◇株式会社チトセロボティクス
◇株式会社MizLinx
■産業交流展2023公式サイト:https://www.sangyo-koryuten.tokyo/