“日本を元気にする鍵” 都内で奮闘する注目のスタートアップ企業
水産業から海の環境問題へ
独自の海洋モニタリングシステムで問題解決
株式会社MizLinx 野城菜帆 代表取締役 CEO
株式会社MizLinxが向き合うのは水産業が直面しているさまざまな問題だ。「もっと効率的に牡蠣を育てるには何が必要なのか」「大切に育てている魚が死んでしまうのはどうして?」。変化する海の環境に向き合い、悩み、解決法を探している。東京都ベンチャー技術大賞の特別賞に輝いた同社の海洋モニタリングシステムは、水産業問題解決に挑んでいる。
ーー受賞おめでとうございます。特別賞とともに女性活躍推進知事特別賞も受賞しました。
光栄です。私たちは水産業あるいは海の環境の問題を解決する会社ですけれども、このような賞をいただけて認められてきたのかなと思います。さらに性能を向上させ、アプローチできる課題の数も増やしていきたいなと思います。
ーー水産業の問題解決、海洋モニタリングシステムで起業した理由を教えてください。
もともと私は人が行くことができないような厳しい環境下で動く機械を研究していました。その中で目の前の課題解決に役立つモノを作りたいなと思いまして、モノづくり×社会課題の解決みたいなところで、いろいろな業界の方とお話をして、どの業界もいろいろな問題を抱えているのが分かりましたが、中でも水産業においては難しい課題が多くあることを感じました。水産業という世界と私たちの技術を合わせていくことなかで何か解決法があるのではないかと考えました。
ーー学生時代にスタート。水産業の抱える問題の相手はほぼ自然、業界そのものに歴史も深く職人気質も強いイメージです。ご苦労もあったのでは?
信じてもらわなければどうにもならない世界でもありますので信頼関係づくりは大変でした。そもそも会社に務めた経験がないので会社でどういうふうに回ってるんだろうって会社の経営の話も難しかったです。あとは技術的なところ。厳しいところで動く機械を研究してきましたが、海って本当に厳しいです。水、塩、波、風……そんな厳しい環境の中でしっかり動き続けるシステムを作るということ、こんなシンプルな機能なのに!ということが、こんな難しいのかと(笑)。
ーー現在3期目。今後の計画は?
現在、静岡と香川でプロジェクトが進んでいます。東京にいるので、いつか東京湾でも仕事ができたらなと思います。それと海外ですね、東南アジアでの話がありまして、今期中に目途を立たせたいなと思っています。また今期中に水産だけじゃなく環境面にも派生するようなこと、海の環境問題はとても大きな問題であるので、そちらにも使えるように発展させていきたいですね。
(TOKYO HEADLINE・酒井紫野)