MIYAVI、魅せるロックで魅了した奇跡の2デイズ
<Day.1:Electric Xmas>と題された26日の公演は、エレキギターの爆音でライブを展開。新たな試みとしてダンサーとパフォーマンスを繰り広げるという、新たなステージ演出で集まったファンを熱狂させた。エレキギターのハウリングノイズが鳴り響く中、まずはMIYAVIとドラマーのBOBOが登場し、「Selfish Love」を放つ。地響きのようなドラム、耳をつんざくギターが、会場の空気を震わせる。続く「What’s My Name」ではMIYAVIの名前を叫ぶ観客にアピールするように、ステージを駆け回りながらギターをプレイ。そして「Survive」では、「スリーツーワン」のかけ声で観客が一斉にジャンプ。音のキメに合わせて、体を仰け反ったポーズで会場を沸かせた。
「Need for Speed」からはキーボードのSAKUが加わり3ピースで、丁々発止でお互いのプレイを戦わせ、「Snakes」や「Secret」は2人のダンサーによる熱いパフォーマンスが加わって、初日の見せ場となった。スタッズが施された黒のレザーに身を包んだ女性ダンサーが呼び込まれると、ドラムンベースのビートに合わせて激しく頭を揺さぶりながら、全身でキレのあるパフォーマンス。MIYAVIも2人の間でギターをプレイしながら動きを合わせ、所々でキメポーズを繰り出す。今にも猛獣が檻を突き破ってきそうな勢いでオーディエンスを圧倒した。また、グルーヴィなビートに合わせて淡々とファルセットボーカルを聴かせる「Secret」では、ダンサーと向かい合って、セクシーに体をくねらせながら挑発。MIYAVIのエロティックな吐息に、客席からは黄色い声援が響いた。
このダンサーを加えるパフォーマンスについて、「みんなで一緒に楽しむのもいいけど、魅せるロックというか……一応まだヴィジュアル系なんで(笑)」と話すMIYAVI。もともとダンスするかの如くギターをプレイするMIYAVIだが、ダンサーとの化学反応によって、ビジュアルのインパクトと重厚感が何倍にもアップしていた。
1日目のもう1つの見どころになったのは、20年前にリリースされたインディーズ時代の「ジングルベル(仮)」をアコースティックで演奏したことだろう。当日になって急きょやることを決めたということで、そこは実にMIYAVIらしいと思うと同時に、何かとイジられてばかりのBOBOと、SAKUに寄せる演奏者としての信頼の厚さを感じさせた。クリスマスソングや冬の名曲がいくつもオマージュされたユーモアあふれる同曲は、どこかカントリーっぽさも感じさせるアレンジで温かなムードを演出する。冬の風物詩が多数登場する日本語の歌詞に耳を傾けながら、ファンは体を揺らしながらうれしそうに目をキラキラと輝かせた。