MIYAVI、魅せるロックで魅了した奇跡の2デイズ
続けて、<Day.2:Acoustic Xmas>と題された2日目。“Electric”が「動」なら“Acoustic”は「静」というイメージだが、そこはMIYAVI流でおかまいなしに「動」のステージで観客を沸かせた。激しいドラムとパッション溢れるピアノに合わせて、エレアコギターのボディを叩いたりしながら、MIYAVIの代名詞となったタッピング奏法でベースのように演奏。まるでジャズのインプロビゼーションのように、アドリブ感満載の演奏で会場を沸かせた。
中盤のバラードゾーンはアコースティック演奏によって、MIYAVIのボーカリストとしての表現力の高さと独特の色気が浮き彫りになった。2人の女性バックコーラスが加わった「Me and the Moonlight」では、観客がスマホのライトを照らしどこか幻想的なムードに。ファルセットで今にも壊れそうなハートを歌ったR&B調のナンバー「FRAGILE」を続けて披露し、よく響く低音からハイトーンまで実にレンジの広い歌声を聴かせたMIYAVI。耳に心地よく残る声質で届けられる、甘いラブソングからメッセージ性あふれるアジテーションまで、どれも思わず聴き惚れてしまうものばかりだ。そして「久しぶりにこのナンバーをお届けします」と言って演奏したのは、沢田研二「TOKIO」のカバー。歌詞を〈YOKOHAMA〉と言い換えて観客と合唱し、楽曲の持つ未来へと思いを馳せた。
ライブ終盤は、アコギをエレキに持ち替え、初日同様に爆音でライブを展開。挙げた手を前後に揺らした「Fire Bird」は、延々と繰り広げられるギタープレイが圧巻。「BANG!」では観客の大合唱とクラップが響き渡る中、MIYAVIはお立ち台に上がって高速で演奏を展開し、壮大な世界観が会場中に広がった。
2日目本編を終え「腐ってもミュージシャンだから、ずっとステージに立っていたい。同じ曲をやってもどこか進化していたい」と語ったMIYAVI。今回から導入したという黒いマイクスタンドのことにも触れ、「大地からのパワーを感じながら、ボーカリストとしても新しいMIYAVIの声を届けたかった」とコメント。また、アンコールでは両日とも黒いサンタ帽をかぶってステージに登場し、「Santa Claus Is Coming To Town」を披露。少し遅れてのメリークリスマスを、観客とともに楽しんだ。
また、両日とも、『コードギアス 奪還のロゼ』の主題歌に起用される新曲「Running In My Head」が初披露された。アッパーで熱いサウンド、ちょっとクールなメロディ、天井をも突き破りそうに爽快なサビが印象的。まるで女性を引き寄せるように、マイクスタンドを引っ張ってハイトーンのボーカルを聴かせたMIYAVI。リリースはまだ半年近く先とのことだが、この曲をまた聴きたいがために、またライブに足を運ぶのもいいなと思えるほどカッコいい仕上がりだった。