尾上松也ら「新春浅草歌舞伎」初日挨拶「これからの世代、成長してつないで」鏡開きは自粛

 新春の浅草を彩る風物詩で若手歌舞伎俳優の登竜門「新春浅草歌舞伎」が1月2日、浅草公会堂にて初日を迎え、開演前に出演者による挨拶とフォトセッションが行われた。

「新春浅草歌舞伎」初日挨拶を行った尾上松也

 今年で10年目を迎える「新春浅草歌舞伎」は、コロナ禍で2年間浅草公会堂での開催が見送られて昨年再始動。今回の公演をもって7人のメンバーが同公演を卒業する。例年は初日公演前に鏡開きを行うが、昨日発生した令和6年能登半島地震の状況を考慮して自粛となった。

 尾上松也が開口一番「新年あけましておめでとうございます。たくさんの方にお集まりいただき、大変うれしゅうございます」と挨拶。続いて中村歌昇が「出演者全員が第1部、第2部両方の部に出られるのは久しぶりですので一生懸命務めていきたい」、坂東巳之助が「松也お兄さんから隼人君まで今回でひと区切り。これからも浅草に遊びに来ることや浅草公会堂に別の舞台で出演することもあると思いますが、初日挨拶は新春浅草歌舞伎でないと見られない景色なので目に焼き付けています」。

 坂東新悟は「巳之助兄さんからひと区切りという言葉があった通り、こういう形で出演させていただくのは最後となりますけど、今回演じている役を歌舞伎座で務められるよう精一杯務めたいと思いますし、いつか浅草に若手の助けとして戻ってこられるように精進したい」、中村種之助は司会に名前を間違えられ、自ら「米吉でございます」と名乗り場をなごませると「最後ということもあって、今までお世話になったご恩返しを込めて千穐楽まで精一杯務めさせていただきます」。

 中村米吉は「浅草に出させていただいた最初の年が辰年で、12年経ったのかなとすごく感慨深く思っています。初舞台を踏んだのもひと区切りも辰年で、私は酉年なんですけど何かと辰年に縁があるので、“立つ鳥” 跡を濁さずという気持ちで精一杯務めたい」、中村隼人は「米吉君と同じく12年前から出させていただいて、その時は高校3年生でしたけど今は無事に30歳となりました。30になって初めての1月の舞台、12年間出続けた舞台も今年でひと区切りということで、悔いのないように思い出をたくさん作りながら頑張って初役に挑んでいきたい」。

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