尾上松也ら「新春浅草歌舞伎」初日挨拶「これからの世代、成長してつないで」鏡開きは自粛

左から中村橋之助、中村米吉、坂東新悟、中村歌昇、尾上松也、坂東巳之助、中村種之助、中村隼人、中村莟玉

 中村橋之助は「お兄さん方も申されてますが、松也お兄さんから隼人お兄さんまでがひと区切り。僕と莟玉君は恐らく来年以降も残ることになると思いますが、この1カ月でお兄さん方の素晴らしいところを吸収して一生懸命に務めてまいりたい」、中村莟玉は「橋之助さんと私は見送る側で寂しい感じもしますけど、僕も初めて出させていただいた時は高校1年生でしたが、今は27歳ということでおじさんになりました。先輩たちを胸を張って見送れるようないいひと月にしたい」。

 その後、フォトセッションに移ろうという時に松也が「これで終わりだったの!? じゃあしゃべらせてください」とマイクを握り「地元の皆さんとお客様のあたたかい心意気に支えられて10年間務めることができました。浅草で成長させていただき、それぞれが歌舞伎やそれ以外の舞台で “浅草でやり遂げた” という自信を持って務めることができたと思います。僕たちは浅草歌舞伎という公演を絶やすことなく、次の世代につなげなければいけないという思いで10年間やってきたので、通常の公演ができる浅草歌舞伎が復活して、次の世代にバトンタッチできるとひと安心しているところ。私から隼人君までがひと区切りですけど、いつも通り1カ月精一杯務めて、僕たちが憧れたようにこれからの世代が浅草に憧れ、成長してつないでいってくれることを願って精進します」と改めて感謝した。

「新春浅草歌舞伎」は、浅草公会堂にて1月26日まで。第1部に「本朝廿四孝 十種香」「与話情浮名横櫛 源氏店」「神楽諷雲井曲毬 どんつく」、第2部に「一谷嫩軍記 熊谷陣屋」「流星」「新皿屋舗月雨暈 魚屋宗五郎」を上演。また、4年ぶりに「お年玉〈年始ご挨拶〉」が復活する。