吉高由里子、紫式部が「大切なものを探す物語」を見届けたい〈光る君へ〉
柄本佑は「最初から戦友のような感じ」
ドラマには歴史上の有名人が続々登場する。人物相関図を見るだけで複雑さにやられるが、そのなかでも紫式部にとって最も重要な人物が藤原道長だ。紫式部はまだまひろ、道長は三郎だったころ、2人はひょんなことから出会い、まひろは興味を引かれていく。道長は柄本佑が演じている。
吉高いわく、柄本には「最初から戦友のような感じがある」と言う。ドラマ『知らなくていいコト』で共演。このドラマの脚本は『光る君へ』で脚本を担当する大石静が手掛けた。
「(柄本は)居てくれたら安心するというか、頼もしいというか。関係性がある程度築けている時にこの役でまた巡り合えて良かったって思います」と、吉高。
「一日中泣いてたりとか、ワンカットが 6 ページぐらいあったところでは、ここは劇場だ! スズナリ(下北沢にある小劇場)で2人でやってる気持ちでやろう、頑張ろう!と言いながら(笑)。すごくシリアスなシーンやラブシーンの前もすごくフラットに会話してくれて、リラックスさせてもらえるような空気感を作っていただいています」
藤原家に生まれ兄たちの影でのんびりと暮らしていた道長だが、さまざまな事態が重なって政治の中心へ。そして、平安の貴族社会で最高の権力者となっていく。この時代では自らが生まれた家柄により人生が左右される側面もあった。
「生まれてきた家で可能性が限られてしまう時代。女性も男性もすごく苦しいですよね。男の人、政治権力の階段を上がっていきたい人たちは何とも歯がゆい思いをした時代だったんだろうなと感じます。政治的な駆け引きがとても大変だったんだろうなと。裏切ったり裏切られたり、のし上がったり、切り捨てたり……いっぱいあったんだろうなと思うと男はつらいよですよね」
昇り詰めていく道長、そして紫式部(まひろ)の関係にはもどかしさもある。
「あなたはこの国を変えて!という気持ちと、何もかも捨てて自分といてほしいという気持ちとで揺らいでる感じなんですよね。揺らぐからセリフも増えちゃうので、はっきりしてくれよとは思うんですけど(笑)、それが人間ドラマなんですよね」