寺山修司の言葉の群れが飛び交う『三上博史 歌劇』が1月9日開幕。「そのワンワードでも、ワンセンテンスでも持ち帰ってもらえれば」
舞台上を縦横無尽に動き回り歌う
そしてこの度、三上にとっては聖地のような劇場である紀伊國屋ホールで、演出J・A・シーザー、上演台本・高田惠篤、寺山偏陸という生前の寺山と共に幾多の名作を生んできた盟友たちとともに『三上博史 歌劇』を作り出すこととなった。
作品では「ふしあわせという名の猫」といった寺山作詞の歌を横山英規(Bass)、エミ・エレオノーラ(Piano)、近田潔人(Guitar)、ASA-CHANG(Drums)といった一流ミュージシャンの生演奏をバックに三上が歌唱し、「百年の孤独」といった寺山の詩を朗読。そして「演劇実験室◉万有引力」とのアンサンブルによる演劇シーンでは『レミング-壁抜け男』の影山影子役をはじめ、三上が早替わりで寺山作品の多種多様な登場人物を演じ分けている。
開幕にあたり三上は「どのようなものをやろうか?と机上で思い巡らせていた時を経て、構成が整い。肉体を通して稽古をし、そしていよいよ幕が開きます。みなさんがどんな反応をされるのか? とても恐ろしいですが、好きなようにやらせていただいているだけなので、どんな反応も受け入れるだけですね(笑)」、そして公演の見所については「今回の舞台は、肌感を大事にしています。温度のないものはできるだけ外しました。そこにあるのは、肉体、肉声、生音、匂い……生々しいものだけです。それは、寺山さんの言葉の数々が、みなさんに届き、巣食い、居座りやすいようにと、考えた結果です」とコメント。