「ワイルド・スピード」シリーズ1作目の新録版試写会で楠大典が「細かいところを見ようと思ったら吹き替え版がいいんですよ」とアピール
22年前の作品の吹き替えということについては、楠は「新たな一つの作品として取り組んだ。こうしたい、ああしたいというのはあまり考えなかった。ヴィン・ディーゼルとは同い年で一緒に年を取ってきたが、今回は一挙に20何年前に戻る。向こうは戻っているが僕は戻らない。そのへんの声の感じをどうするかというのはあったが、それが声優という仕事なのであまりとらわれずに、その作品を見てどうしようかという作業だった」、園崎は「ジョーダナ・ブリュースターさんの吹き替えを15年やらせていただいている。お母さんになられて、ワイスピも出番が少なくなった。一緒に年を取って一緒に見ていた目線が、ぐっと戻っていくのでものすごく新鮮な気持ちで取り組めた。実際にほかの方が吹き替えをしている作品を見て、自分だったらどう落とし込んでいくかといったことを改めて考えた。あと、向こうの演者さんたちのお芝居がフレッシュ。もう何作品も重ねていると、みんなベテランになっているしお芝居の安定感はすごいんですが、やっぱりミヤなんかはハイティーンの空気がまだ抜け切れていないという雰囲気があって、(高橋との)2人でやり取りするシーンはちょっとどきどきした」、甲斐田は「ミシェル・ロドリゲスを吹き替えたのがMAXが初めてで、私も20代だったし、いわゆるヒロインではない、こういうガツンとした力強い女性の声をあてるのが初めてだったので、どうやるかを結構悩んだ思い出がある。その後も、EURO MISSIONからちょくちょく出るようになって、毎回このカッコよさをどう出そうかと悩みながら来ている中で、1作目に戻って、さあ若くしなきゃなと思ったけど、なかなか衝撃の初登場シーンなので、これだったら特に若さを気にしなくてもいいなと、楽しく吹き替えられた。いつも通りの感じでやりました」、高橋は「まず若い。それはキャラクターの若さでもあるが、ポール・ウォーカー本人がその時はまだ大作に出ていなかった時代で、役者としてのエネルギーも画面から伝わってくる。情熱が伝わってきたので、それにあてていく作業が新鮮だった。我々はほかの作品とかほかの役者とかいろいろな千差万別な年齢のキャラクターをあてているので、それは気にするところではないんですが、逆に周りに“広樹くん、今度のブライアンは若いよ”と言われることにプレッシャーを感じていた」などとそれぞれ今回の吹き替えを振り返った。
またイベント後の取材でも4人は「今は規模がどんどん大きくなっているが、1作目は派手さがない分、お芝居がきちんと行われている。人間関係や家族愛、恋愛などがバランスよく丁寧に描かれている」などと作品の魅力を改めて紹介。
そして楠が「ワイルド・スピードという素晴らしい作品、もちろん字幕版も素敵なんですが、それとはまた別に、もう一度吹き替え版を、僕たちが演じているワイスピの世界を別の意味で楽しんでいただければなと思います。やはりアクションとか恋愛とか細かいところを見ようと思ったら吹き替え版がいいんですよ! ということで皆さんで吹き替えを盛り上げましょう」と吹き替え版ならではの魅力をアピールして締めくくった。