DEEPは歌い、語りかけるーー。新曲「Darlin’」で聴かせる新しいアプローチ 

 

仕上がってみれば、やっぱりDEEP

“スピード仕上げ”を可能にした理由をいろいろな質問を投げて突いていくと、“この3人だから”というところに行きつく。
 
 曲を選んで決めて歌詞やアレンジも整ったら、3人でレコーディングスタジオに入る。レコーディング前は、それぞれが歌うパートを振り分けたり、雰囲気を話すぐらいで、本番のスタジオでそれぞれが持ち寄ったアイデアを試してベストな形を探り、最終形に持っていく。「アドリブもあるし、そういうのは現場で決めちゃうから。僕らは3人一緒じゃないとレコーディングできない。最近はそれぞれが自分のパートを歌うスタイルもあるみたいだけど、そのやりかたは僕らには返って面倒なことになりそうだな」と、TAKAは笑う。

「Darlin’」では、歌唱だけでなく、歌詞もレコーディングをしながら完成させたという。

YUICHIRO:作詞家さんがすごく頑張ってくれたんですよ。レコーディングに臨んでみて初めて気づくことってやっぱりあるんですよね、語呂だとか、違うこの言葉のほうがいいんじゃないかとか、今は離れているこの部分とこの部分をつなげた方がいいんじゃないか、とか。そういうことをいろいろ言ってくれて。

 仕上がってみれば、やっぱりDEEPな作品になった。

YUICHIRO:これまでの経験からも僕らが歌えばDEEPらしさは自然に出ると思っていたんだけど、やっぱり出来上がったらそうなったねっていう。

KEISEI:歌っていたら、結局フックが出たよね。予想以上に出たなっていうのはある。 

TAKA:僕はちょっと逆なんですよね。いただいたデモがすごく良かったので乗っかった。最初は分かりやすい“DEEP TAKA”みたいな感じで歌ったんですけど、なんか違って。力抜いて歌ってみて、それもやったことがないぐらいに抜いたので、どうなんだろうと思ったんですが、後から聞いたら曲にはあってんのかなって。

YUICHIRO:僕は、ただ普通に歌いました。力がいい意味で抜けてるんで今までと違うなーっていう感覚はあります……正直、不完全燃焼感はある! 熱唱できないんで。僕は熱唱が好きなんで!

TAKA:それに、YUICHIROにはキーが少し低いんだよね(笑)。

 とはいえ、余裕を感じる楽曲はDEEPにとっての新たなチャレンジで、グループの血肉となり、また熟成して、いい味、いい出汁を出して来るのは間違いなさそうだ。