石井竜也、倖田來未、きゃりー、TRFらが国際小児がんデー恒例のチャリティーライヴ Da-iCE、FANTASTICSらも盛り上げる

 

 14組の出演アーティストのなかで独自すぎるアプローチで観客も視聴者も喜ばせたのがダンス&ボーカルグループのDa-iCEだ。登場するなり「一曲入魂」とパフォーマンスするのは1曲だとアナウンス。披露したのは、ファンの間だけでなく広く浸透した“なかなか歌い始められない”「スターマイン」。たっぷりと時間を使って、存分に笑いを巻き起こしてから、歌と音楽、そしてダンスで大きな花火を打ち上げた。

 エンディングも近づく中で、ダンス&ボーカルグループのFANTASTICSが「PANOAMA JET」のイントロとともにリラックスした雰囲気で登場。パフォーマンスを終えたところで、ボーカルの中島颯太が挨拶しつつ、「直前のDa-iCEさんのエンタメが面白すぎるでしょ」と笑うと客席もニヤニヤ。短い持ち時間のなかで、「Tell Me」「Choo Choo TRAIN」と続け、FANTASTICSの魅力を凝縮したセットでオーディエンスを喜ばせた。イベント前の取材で、リーダーの佐藤大樹は「フレッシュで爽やかなパフォーマンスをしたい。小児がんと闘う子どもたち、支えるご家族の方に少しでも元気になってもらえるようなステージにしたい」と話していたが、その言葉通りのステージだった。

 MCの天野ひろゆきらによるトークを挟んで、闇に包まれた会場。ステージ上に5人の人影が浮かびあがり、節のついた「みなさんどうぞ、どうぞ座ってお楽しみください」の声。「踊りませんし」「ペンライトは振っていただいて構いませーん」といい声が伸びたまま、代表曲のひとつ「ひとり」に突入。会場は息をつく間もなくゴスペラーズの空間になった。

 倖田來未は3人の色気たっぷりの女性ダンサーを引き連れて登場するとグルーヴ感のある「キューティーハニー」を披露。そして、「WIND」「め組の人」と緩急のある選曲で楽しませると、「(イベントの進行が)5分巻いているって聞いたのでちょっとしゃべろうかな」と笑うと、これまで行われた5回のうち4回出演しているといい、「小児がんのことを少しでも知っていただいたり、元気につながれば」とラストの石井竜也へとつないだ。

 

 

 石井竜也がこの日のために用意したのはヒット曲の「浪漫飛行」と、NHKみんなのうたにもなっている「きみがいること」の2曲。オーガニックなサウンドを取り入れてゆったりと壮大にアレンジされた「浪漫飛行」、そして「きみがいること」で、音楽の大きさや温かさをしっかりと感じさせた。

 今回、初参加となった石井。イベント前の取材では「お子さんが同じ病気で苦しんで、痛みをよく知っている人がこのイベントを作っている。僕らは歌の世界しか知らないので、病気で苦しんでいるお子さんの本当のお父さんやお母さんの気持ちにはなりきれません。だから、すごく感動して。そういう力がこういう大きなイベントにつながっていくんだろうなと思います」と語った。その思いは歌に載せられて、客席、さらにはその遠くまで伝わった。

 LECは、小児がんの子どもたちと家族の金銭的、社会的支援を募って、医療のケアの向上に寄与することを目的として活動する一般社団法人Empower Childrenが行うチャリティー活動のひとつ。アーティストが小児がんの子どもたちや、子どもたちを支える家族をサポートする目的で行われているチャリティーイベントで、2020年にスタートした。

 15日のライブの模様は、YouTubeのavex 公式チャンネルで21日まで視聴できる。