倖田來未、小児がん支援ライブへの思い「音楽の力で少しでも子どもたちの力になれれば」

国立成育医療研究センターではファシリティドッグ「マサ」が活動している

 これまでに何度も「LIVE EMPOWER CHILDREN」に出演する倖田。その原動力となっているのは、子どもたちに “音楽の力” で元気になってもらいたいという強い思いだ。

倖田「私自身はライブ会場でパフォーマンスしていて、実際に病院に足を運んだことはないのですが、本当は子どもたちの横で歌ってあげたいくらいの気持ちなので、ステージではなるべく隣に寄り添うような楽曲や元気で明るくなれる楽曲を選曲しています。例えば『め組のひと』のカバー曲はお母さんが聞いていて、子どもたちも知っているので、みんなで病院の中で “めッ!” って踊ってくれてたらうれしいなと想像しながら歌っています。

 少しでも子どもたちに勇気を与えられればいいなと思いますし、子どもの病気を一番側で見ている親御さんたちは本当につらいと思います。見えないところでストレスを溜めていらっしゃったり、好きなアーティストのライブに行きたいけど行けないという方もいらっしゃると思うので、側で見ている親御さんに少しでもライブに来たという感覚を感じてもらえたらいいなと思いながら歌わせていただいているんです」

松本「本当は病院にも来ていただけるとみんな元気が出ると思うのですが、新型コロナウイルスなどの流行があって、まだなかなか難しいですね。小児がんの子どもたちにとっては、重症化してあっという間に命を落とす可能性のある病気なので、どうしても慎重にならざるを得ない。そこを補う意味でも、うちの病院にはファシリティドッグ(特別な訓練を受けて病院などに常駐する犬のこと)がいます。子どもたちが落ち込んでいると寄り添ってくれて、それだけで心が癒されるというものすごい力を持っています」

倖田「海外ではよく見るけれど、日本でもそういった試みがあるんですね。すごく素敵なプロジェクトだと思います」

松本「今、小児がんの支援の輪というのはものすごく広がっていて、例えばレモネードスタンドという活動もあります。小児がんのひとつである神経芽腫という病気のアレックス・スコットちゃんという子がアメリカにいて、自分と同じような病気を研究してほしいと、自宅の庭でレモネードを売ったお金を寄付したことが始まりです。今や世界中で広がっていて、日本でも草の根運動として広がりを見せています。

 毎年2月の国際小児がんデーと共に、世界小児がん啓発月間である9月にゴールドセプテンバーキャンペーンを行っています。子どもたちは金のように貴重な宝物で、医療や研究に光を当てるという意味があり、9月には大谷翔平選手が “ゴールドリボン” を身につけてくれたり、日本でも全国で地域を象徴する建物などのライトアップが始まりました」