THE RAMPAGEの鈴木昂秀 ワンチャンドッキリと思った主演映画で魅力ジワリ〈ただ、あなたを理解したい〉


 映画は、さまざまな事情を抱えながらも夢を追ったり新たな目標を見つけたりしながら進んでいく若者たちの姿を描く青春群像劇。鈴木が演じる主人公の祐也は夢を追って故郷を離れたものの思うようにはいかず、彼女を連れて、「なんにもない」地元に久しぶりに帰省する。そして、物語が展開していく。

 祐也は、いわゆる普通の人。こういう人よくいるよなあというタイプの青年だ。THE RAMPAGEのメンバーと出演した舞台『PICK3』(2023年1月上演)で演じた役と重なる部分も感じる。こうした役は個性が強烈なキャラクターよりチャレンジがありそうだが……。

「比較するとムズいかもしれないですけど、僕、この台本がすごく理解できたんですよ。祐也と自分に共通する部分もあって。例えば、なんか……だらしない人間のところとか(笑)、今それを言っちゃダメしょってところを言っちゃうだとか、基本的にポジティブで、人に対してなんかしてあげたくなってしまうところとか。彼女を追いかけるべきだろうっていう場面があるんですけど、なんか考えちゃって追いかけないとか。そういうところに“だからお前、マジで…”ってなります。その一方で、そこをもっと考えてあげてたら、こうならなかったというところもあって」

 当たりさわりのないコミュニケーションでお互いを傷つけずに生きていくことが“よき”とされるなかで、映画の中の登場人物は『ただ、あなたを理解したい』と心をぶつけ合う。

「お互いを理解しなくても生きていける時代……そういう空気を感じることはありますけど、僕は理解しないと生きていけないなって思います。いつも僕は16人でアーティスト活動しているのですが最初は寮生活からスタートしました。全然知らない人と一緒に生活していくなかで、お互いを理解することの大切さを知りました。なぜこの人は怒っているのか考えるのもそうだし、この人は毎日何時にご飯を食べるんだなとか、今日も何かやってるなとか、スケジュールを把握することで生まれてくる理解もありました。理解したいという気持ちと周りを見る力はTHE RAMPAGEのメンバーみんなが持っていると思います」