THE RAMPAGEの鈴木昂秀 ワンチャンドッキリと思った主演映画で魅力ジワリ〈ただ、あなたを理解したい〉

 

 青春、葛藤、ドラマ。映画にはたくさんの見どころと見方があるが、聴きどころもある。MA55IVEが担当した主題歌の「ガーベラ」で、エンドロールとともに温かく流れる。鈴木はMA55IVEのメンバーでもあり、この曲の制作は自身が中心となって行われている。

 主題歌を担当することは、鈴木の直談判で決定したという。

「いただいた台本を開いたとき、テーマソングのところがまだ空欄だったんです。監督とプロデューサーに担当する方がまだ決まっていないのだったら僕らに作らせてほしいとお話したんです。そこから事務所に確認してくれて、ゴーサインが出ました」

 制作は撮影を終えてからのスタート。「撮影中からこんな感じってイメージが湧いていたんです。テンポはこんな感じで、キーはこういうのがいいかなとか、そういうのが。だからこそ、やりたいって言えた自分がいたのかなって思います……ギターで始まるの、いいですよね!」

 作詞も作曲も鈴木のディレクションで進行。作詞は、鈴木がメンバーに映画について説明したり映画の動画を共有して分担し、一斉に取り掛かったという。映画の温もりややわらかい感じ、青春……そこから広がるイメージや劇中のキーワードも盛り込まれた。

「みんな、めちゃくちゃいい歌詞を書いてくれて、ほぼほぼ採用ですが、変えたい部分はみんなに相談しています」と、鈴木。

 インスタグラムなどを通じて自ら制作した楽曲を発信している鈴木だが、「もう楽しくなっちゃって、作る欲がすごい」そう。現在、準備が進んでいるMA55IVEのアルバムも「そこに関しては全曲やりたいぐらい っていう気持ちがある」と前のめりだった。

 話は尽きないが、そろそろ時間切れ。鈴木は「自分たちが今できることだったりとか、自分たちがなくしてはならない部分、人が大事にすべきことを存分に理解できる映画だと思います。たくさんの人に理解してほしいと思うので、何回も見ていただけたらなと思います。……そして『ガーベラ』もたくさん聞いてほしい(笑)」

 初めての主演、よき仲間との出会い、そして自分が旗を振り制作した「ガーベラ」。鈴木が本作に取り組んで得たものは少なくない。ここからさらなる広がりも感じる。鈴木はこの映画に出会えて本当にラッキーだった。

 2月23日からヒューマントラストシネマ渋谷ほかで全国順次公開。

 

(TOKYO  HEADLINE・酒井紫野)