「37年前のトリックが今も読者を驚かせる理由」実写ドラマHuluオリジナル「十角館の殺人」主演・奥 智哉と原作・綾辻行人が語る

Huluオリジナル「十角館の殺人」 3月22日(金) 午前“十”時からHuluで独占配信 ©綾辻行人/講談社 ©NTV

ミステリー小説の“寿命”とは?「なまじ最新機器をトリックに使うと…」

綾辻「奥さん、‘86年を体験してみてどうでした?」

奥「すべてが新鮮でした(笑)」

綾辻「このくらい時間が経つと、令和の現代とのギャップがかえっておもしろいかも、ですね」

奥「確かに! ファッションも、今もシャツインとかしますけど、あの時代もそうだったんですね。あと黒電話が、持ってみるとすごく重くて(笑)。ガシャン、という音も新鮮でした」

綾辻「あれより少し前だと、自分の部屋に電話がないアパートもあったんですよ。アパートに共同の電話があって、大家さんに呼び出してもらうんです」

奥「ええー」

綾辻「ところが、その数年後には留守番電話とかコードレス電話が普及し始めるような変化の激しい時代でもあって…。テクノロジーは常に進化するものだから、なまじ最新の電子機器とかをトリックに使うと何年かしたら伝わらなくなるんです。例えば、ポケベルの機能を駆使したトリックなんて、今読んでも分からないでしょう?」

奥「ポケベルは…確かに分からないですね」

撮影・上岸卓史 【奥 智哉】ヘアメイク・岩下倫之 スタイリスト・カワセ136