故坂本龍一さんが生前最後に手掛けていた舞台作品「TIME」が一周忌となる3月28日に上演スタート
「TIME」の1シーン
暗闇の中、雨音だけが響く客席。その目の前には水鏡のように揺らぐ水面と精緻な映像を映し出すスクリーンが設えられた舞台が広がる。作品は「時間」というテーマを包括し、夏目漱石の「夢十夜(第一夜)」、能の演目である「邯鄲」、荘子の説話である「胡蝶の夢」といった物語のシーンが交錯し進んでいく。
出演者はダンサーの田中泯、笙奏者の宮田まゆみ、ダンサーの石原淋。この3人のパフォーマンスとサウンド、インスタレーション、ヴィジュアルアート、そのすべてが、光と水が交錯し幻出するいくつもの「夢」とともに劇場空間で融合し、観客にとっては息をのまざるを得ない瞬間が続く。
同作は3月28日から4月14日まで新国立劇場 中劇場で、4月27~28日には京都・ロームシアターで上演される。