上野で標本200体が大行進!哺乳類の「分類」に迫る国立科学博物館「大哺乳類展3」

同展を監修した同館動物研究部 脊椎動物グループ 研究主幹の川田伸一郎さん(左)と田島木綿子さん

 同展の監修に当たった同館動物研究部 脊椎動物グループ 研究主幹の川田伸一郎さんは、見どころを「哺乳類を分ける作業(分類)はどういうものなのか、分けたものがどういう関係にあるのか(系統)を調べる、その2点に絞って展示を構成しました。今はDNAを使って調べることが主流になっていますが、今まで同じ種類だと思っていたものが、全然違うグループだったといったことがどんどん分かってきたんです。収斂進化(別系統の生物が似た環境の影響で同じような形に進化すること)というんですけど、その不思議さや面白さなどもコラムとしていっぱい織り交ぜています」。

 同じく研究主幹の田島木綿子さんは「学問の中の基礎中の基礎である分類学と系統学をどうひもといて、皆さんに分かっていただくかという展示に我々も苦戦しました。分かりにくいところもあるかもしれませんが、我々自身も哺乳類なので、この展示会場にいる動物たちの一員となって参加するような形で見ていただければ、もっと自分を知ることにも相手を知ることにもつながるかなと思います。この展示が、さらに深く生物を知るきっかけになっていただければ」とアピールしている。

 特別展「大哺乳類展3-わけてつなげて大行進」は国立科学博物館 地球館1階 特別展示室にて6月16日まで。月曜休館(月曜が祝日の場合は火曜)。入場料は一般・大学生2100円ほか。