都医師会、はしか流行とワクチン接種を解説「まずは接種歴の確認。心配な方は抗体検査を」
川上理事は追加接種の必要性を「母子手帳か接種済み票などの記録を確認して」と呼びかけ
予防にはワクチン接種が有効だが「接種歴のない人がかなりいること、新型コロナの流行で第1期の接種率が95%を下回った時期があり、第2期の接種率も回復していない。麻しん排除国を維持するためには、国民の95%以上が抗体を持っていることだ」と川上理事。ところが「4月1日から就学前のお子さんへの定期接種が開始され、3~4月はMRワクチンの需要が高まる時期だが、ワクチンの一部ロットで有効成分の感染価が下回るという理由で自主回収が行われている。国は足りると言っているが、現場では注文してもなかなか入ってこない状態が続いている」と訴えた。
川上理事は、成人の接種状況を「1972年9月30日生まれまでの人は1回も接種していない可能性が高いが、1990年頃まで麻しんが定期的に流行していたので、多くの人は抗体を持っている。1972年10月1日~1990年4月1日生まれの人は定期接種は1回のみ、1990年4月2日~2000年4月1日生まれの人は3期、4期の対象で2回接種の機会があり、それ以降は定期接種で2回接種の機会を持っている」と解説。
「現在55歳以上の人は恐らく抗体を持っているので、抗体価を測って低かった場合のみ任意接種をお願いしている。母子手帳か接種済み票などの記録を確認して、2回接種済みの方は追加接種は不要です。1回のみの方は1回追加接種をするか、抗体検査をして必要回数の接種を行っていただくこと。ワクチンが足りない状況なので、まずは記録を確認していただくことが大切。心配な方は抗体検査をかかりつけの医師に相談していただければ」と呼びかけた。