ドリアン・ロロブリジーダ「我々は慣れていて傷つかないかもしれないが、そこでスマートな対応をしてくれたホテルの株はものすごく上がる」

5人でパネルトーク

 またジョン氏も「LGBTQ+コミュニティーは特に自分たちのコミュニティーに対する対応を適切にしてくれるブランドに対するロイヤリティーが高いという調査結果も出ているので、宿泊施設にとってもベネフィットがある内容が含まれている」と宿泊施設側のメリットについても言及しているのだが、ドリアンも「男2人で泊まる際、何事もなく受け入れてくれるところもあるし“お仕事ですか?”みたいな形で一言かけてくるところもある。そういった時は安易に自分のセクシャリティーとかジェンダーをカミングアウトするかウソをつかないといけない状況に直面することになる。そういう些細なストレスや“ん?”という思いが積み重なるとその宿の体験や旅での思い出が楽しくないものになってしまうことはある。我々はある意味、慣れているし、麻痺してしまっているところがある。もしかしたら傷つかないかもしれないが、逆にそこでスマートな対応をしてくれたホテルの株はものすごく上がるというところはある」と語った。

 こちらもLGBTQ+当事者で、これまで60カ国以上を旅しているマクスウィガン氏は「認証されているところとそうでないところの違いは、完全に自分がLGBTQ+の人間として受け入れられているという信頼感が得られるという点にある。ただ単にレインボー印があるからといってそれで安心というわけではないが、私がTravel Proudの認証を受けた施設に泊まった時は毎回、私の期待を上回るような結果を得ている。通常のホテルでは時として差別待遇を受けたことがある。私と元ボーイフレンドが泊まる際に、ある時は同じベッドを共有することはできないという待遇を受けたことがある。しかしTravel Proudの認証を取ってているところではそういうことはない。LGBTQ+の雑誌が部屋に置いてあったりといった待遇も経験している」などと語った。
 
 すでに英語版でトレーニングを受けている飯島氏は宿泊施設側の観点から「認証を受けることで、予約の際にフレンドリーだということを多くの方に知ってもらえるので、そういう意味でもトライしたいと思った。プログラムを受けて、私自身ハッとさせられる部分もあったし、なかなかそういったことを知る機会がなかったので、チームメンバーからは知れたことがうれしいという声も。知ってみんなで共有することでチームの意識も高まり、ワンランク上のサービスができるようになったかなと感じている」などと感想を語ったうえで「ホテルを運営する中でも非常に重要なことが多々含まれているので、今後、多数の施設で導入されて、認証される施設が増えていくのがうれしいことだと思っている」などと呼びかけた。

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